スマホは誰のもの?
ちょっと質問させて。
君のスマホ、誰が月額払ってる?
親?自分?バイト代から?
じゃあもう一つ。
そのスマホで、親が「このアプリは危ないから入れるな」「このサイトは見るな」って言ったら…君は従う?
もし従ってるなら。
そのスマホは、本当に「君のもの」って言えるかな?
名義は君。使ってるのも君。でも、決定権は別の人が持ってる。
実はこれ、ただのスマホの話じゃない。
日本という国にも、全く同じことが起きてるかもしれないんだ。
実家暮らしの大人、日本
1945年、日本は戦争に負けた
想像してほしい。
君の家が火事で全焼した。家族も疲れ果て、明日食べるものもない。
そこに、親戚のアメリカさんがやってきて言った。
「うちで面倒見てやるよ。でもルールは全部うちに従ってもらうからね」
これが占領時代。完全に子ども扱い。
でも、正直助かった。食料もくれたし、新しい憲法も作ってくれた。民主主義も教えてくれた。
そして80年が経った
日本は頑張った。めちゃくちゃ頑張った。
高度経済成長で、世界第二位の経済大国に。今も第三位。
もう大人だ。自分で稼いでる。家も車も持ってる。
でも。
今でも、親戚の部屋が家の中にある。
しかも、その部屋の家賃、君が払ってる。
「え???」
ってなるよね。
見えない鎖の正体
ここから、ちょっと衝撃的な事実を並べる。
怒らないで、冷静に聞いてほしい。
事実1: 日本全国に、米軍基地が約130箇所ある
東京、神奈川、青森、沖縄…日本中だ。
中でも沖縄がすごい。全国の米軍基地の約70%が、面積わずか0.6%の沖縄に集中してる。
東京ディズニーランドの約220倍の広さ。
「沖縄だけじゃん」って思った?
横田基地(東京)、厚木基地(神奈川)、三沢基地(青森)…本州にも普通にある。
事実2: その「家賃」、日本が払ってる
これ、逆じゃないかって思うよね。
米軍が日本を守るために「いてあげてる」なら、アメリカが費用負担するべきじゃない?
でも現実は逆。
年間約2,000億円を「思いやり予算」として日本が負担してる。
基地で働く日本人従業員の給料も、光熱費も、日本持ち。
小ネタ: この「思いやり予算」って名前、誰が考えたの?せめて「同盟維持経費」とか言えばいいのに。なんか恋人に貢いでる人みたいじゃん。
事実3: 日米地位協定という「治外法権」
これが一番ヤバい。
米軍人が日本で犯罪を起こしても、日本の警察がすぐに逮捕できないケースがある。
「公務中」だと米軍に身柄を渡さないといけない。しかも「公務中」かどうかは、米軍が決める。
自分の国なのに、自分の法律が効かないエリアがあるんだ。
事実4: 東京の空、実は飛べない
羽田空港に降りる飛行機、めちゃくちゃ急角度で降りてくるの見たことない?
あれ、なんでだと思う?
東京上空に、米軍が管理してる空域があるから。
「横田空域」って呼ばれてる。
伊豆半島から新潟まで、1都8県の上空。民間機は通れない。だから羽田も成田も、変なルートで飛ぶしかない。
自分の国の空なのに、自由に飛べないんだ。
「じゃあ独立しようぜ!」って言いたくなるよね
ここまで読んで、ムカついてきた?
「なんだよそれ!もう米軍帰れよ!」
って思うのは、めちゃくちゃ自然な感情。
でも、ちょっと待って。
ここからが、この話の本当に難しいところ。
もし明日、米軍が全員引き上げたら?
シミュレーション1: 防衛費が爆増する
今、日本の防衛費は約5兆円(GDP比1%ちょい)。
米軍が去ったら、自前で全部やる必要がある。専門家の試算だと、最低でも15兆円は必要。
これ、消費税でいうと約6%分。
つまり、独立したら消費税が16%になる計算。
君のバイト代も、将来の給料も、全部高い税金で持ってかれる。
シミュレーション2: 核兵器どうする問題
今の日本は、アメリカの「核の傘」の下にいる。
「日本を攻撃したら、アメリカが核で反撃するかもよ?」という暗黙の脅しで守られてる。
独立したら、これが消える。
で、どうする?
-
A案: 自前で核兵器を持つ
-
でも世界中から制裁される
-
NPT(核拡散防止条約)違反
-
B案: 核なしで守る
-
中国もロシアも北朝鮮も核持ってるのに?
-
通常兵器だけで対抗できる?
シミュレーション3: 周辺国との関係激変
中国、ロシア、北朝鮮。
今は米軍がいるから、「日本に手を出したらアメリカと戦争になる」と思って躊躇してる。
それがなくなったら?
尖閣諸島、竹島、北方領土…全部「話し合いで解決」できる?
これが「実家暮らしの大人」のジレンマ
実家暮らしって、楽なんだよ。
家賃安い(もしくはタダ)、ご飯作ってもらえる、トラブルあったら親が守ってくれる。
でも。
門限があったり、友達呼べなかったり、親の顔色うかがったり。
「自由」と「安全」は、トレードオフなんだ。
日本もまったく同じ。
- 米軍基地があるから守られてる(安全)
- でも自分で決められないことが多い(不自由)
「完全な独立」を選んだ瞬間、全ての責任が自分に来る。
その重さ、想像できる?
じゃあ、僕たちはどうすればいいのか?
ここまで読んで、こう思ってるんじゃない?
「結局どうすればいいかわかんねえ…」
わかる。めちゃくちゃわかる。
でもね、それでいいんだよ。
答えがすぐ出ない問題だからこそ、考え続ける価値がある。
答えは「独立 vs 従属」の二択じゃない
本当の問題は、「どう交渉して、より良い関係を築くか」なんだ。
例えば:
レベル1: 情報を集める
- 日米地位協定を改定する(ドイツやイタリアはもっと有利な条件)
- 基地の負担を減らす交渉(沖縄だけに押し付けない)
レベル2: 自分の力をつける
- 自衛隊の能力を高める(守る力があれば、交渉力も上がる)
- 外交力を磨く(アメリカ以外の国とも連携)
レベル3: ルールを変える
- 憲法改正の議論(9条をどうするか)
- 国民投票で決める
完全に一人暮らしする必要はない。
でも、「実家のルール、ちょっと見直さない?」って言える関係にはなれる。
君たちにしかできないこと
「でも俺ら中高生じゃん。何もできなくね?」
それが一番の間違い。
君たちには、おじさん世代にはない武器がある。
武器1: 時間がある
この問題、解決には20年、30年かかる。
20年後、君たちは40歳。社会の中心だ。
今から考え始めれば、間に合う。
武器2: 先入観がない
おじさん世代は、「保守 vs リベラル」の対立に疲れてる。
君たちは、フラットに「何が正しいか」を考えられる。
武器3: デジタルネイティブ
情報をすぐ調べられる。SNSで声を上げられる。世界中の人とつながれる。
これ、めちゃくちゃ強い。
今日からできる3つのこと
1. まず、知る
- この記事をブックマークして、友達に送る
- 防衛省や外務省の公式サイト見てみる
- Netflixのドキュメンタリーでもいい
「知らない」が一番ヤバい。
2. 両方の意見を聞く
- 「日本は従属国だ!」派のYouTubeも見る
- 「日本は十分独立してる」派の本も読む
どっちかを盲信するのが一番危険。
バランスよく学んで、自分の頭で考える。
3. 18歳になったら、絶対投票する
2022年参院選の10代投票率: 34.49%
つまり、君たちの65%は投票してない。
それで「政治家が若者のこと考えてくれない」って言っても、そりゃそうだよ。
投票しない人の意見、政治家は聞かない。
投票は、君の武器だ。
エピローグ: 20年後の君へ
想像してみて。
2045年。君は40歳。
子どもが生まれてるかもしれない。
その子に、こう聞かれたら何て答える?
「パパ(ママ)、日本ってどんな国なの?」
- 「よくわかんない。昔からこうだから」
- 「実は他の国の言いなりだったんだけど、何もできなかった」
- 「俺たちの世代で、ちゃんと考えて、少しずつ変えてきたんだよ」
君は、どれを言いたい?
実家暮らしの大人も、いつかは自分の家を持つ。
でもそれは、準備ができてから。
焦って飛び出して、ホームレスになったら意味ない。
でも、一生実家でいいわけでもない。
日本という国の「自立」も、きっと同じ。
君たちが30歳、40歳になった時、
どんな日本を作りたい?
その答えを探す旅は、
今日、この記事を読み終えた瞬間から始まってる。
おまけ: もっと知りたい人へ
読むべき本(入門編)
- 『日米地位協定入門』前泊博盛(創元社)
- 『10代からの沖縄問題』(岩波書店)
- 『戦後史の正体』孫崎享(創元社)※批判的に読むこと
見るべきドキュメンタリー
- NHK「基地と沖縄」シリーズ
- 「ザ・思いやり」(リラン・バクレー監督)
チェックすべきサイト
- 防衛省公式サイト: 在日米軍関係経費
- 外務省: 日米安全保障条約全文
- 沖縄県公式サイト: 基地問題Q&A
注意点
全部鵜呑みにするな。
右も左も、都合のいい事実しか言わない。
複数の情報源を比較して、自分で考える。
それが、君の武器になる。
質問、反論、感想、ぜんぶ歓迎。
コメント欄で、一緒に考えよう。
正解はない。でも、考えることをやめたらそこで終わり。
君の国の未来、君が決めろ。
【最後の小ネタ】Q: なんで日本には「在日米軍」がいるのに、アメリカには「在米自衛隊」がいないの?
A: …
それが、答えだよ。
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