社員数40万人。
ある超大手グループ企業の従業員数だ。日本中で知らない人はいないであろう、あの企業だ。
そして、この35万人の社員たちが毎朝考えていることは、たった1つしかない。
「今月も無事に給料が振り込まれるだろうか」
会社が黒字だろうが赤字だろうが、そんなことはどうでもいい。社長がどんなビジョンを語ろうが、興味はない。明日、仕事が消滅したとしても、給料さえ振り込まれれば問題ない。なぜなら、組合があるから簡単にはクビにならないし、大企業という看板があれば、転職先も見つかるから。
10年後、この中の何人かが課長になる。20年後、部長になる。そして定年まで、一度も本気で仕事に情熱を燃やすことなく、人生を終える。
これが、「会社を大きくする」という夢を追い続けた経営者たちが作り上げた、残酷な現実だ。
あなたは、この道を歩みたいだろうか?
あなたの会社は、いつから「巨大な墓場」になったのか
思い出してほしい。
あなたが会社を立ち上げた日のことを。たった3人で、ボロいアパートの一室で、夜中まで熱く語り合った日々を。売上なんてゼロだった。でも、目はキラキラ輝いていた。
「俺たちなら、世界を変えられる」
そう信じていた。
あれから10年。社員は50人になった。オフィスは駅前の立派なビルに移った。年商は10億円を超えた。
でも、あなたの目から光が消えた。
毎朝、あなたがやることは何だ? 社員の給料計算、資金繰り、人間関係のトラブル処理、無意味な会議…。本当にやりたかった仕事は、もう誰か他の社員に任せている。
会社が大きくなればなるほど、あなたは自分の会社の「歯車」になっていく。
これは、経営者にとって最も残酷な皮肉だ。
従業員100人の社長と、1人で戦う起業家。どちらが自由か?
ある日、私は2人の経営者に出会った。
Aさん(従業員100人の社長):
- 年商:5億円
- 粗利:1億円
- 社長の年収:800万円
- 睡眠時間:平均4時間
- 口癖:「もう限界だ…」
Bさん(従業員ゼロ・自分1人):
- 年商:5000万円
- 粗利:4500万円(粗利率90%)
- Bさんの年収:4500万円
- 睡眠時間:平均7時間
- 口癖:「明日、バリ島行こうかな」
さて、あなたはどちらになりたい?
多くの人は「Aさんの方が立派だ」と言う。従業員100人を養っているのだから、社会貢献している。年商5億円なんて凄い。
でも、Aさんは地獄にいる。
彼は毎月、100人分の給料(約3000万円)を支払わなければならない。売上が落ちれば、リストラしなければならない。社員が辞めれば、また採用活動をしなければならない。そして、自分の年収は800万円。大企業のサラリーマンと変わらない。
一方、Bさんは天国にいる。
彼には従業員がいない。オフィスもない。あるのはMacBook1台と、世界中どこでも仕事ができるWi-Fi環境だけ。粗利4500万円は、すべて彼のものだ。税金を払っても、手元には3000万円以上残る。
自由、時間、お金。すべてを手に入れているのは、Bさんだ。
「大きいことはいいことだ」という洗脳から、今すぐ目を覚ませ
1970年代、森永製菓のCMで「大きいことはいいことだ」というフレーズが流行った。
あの時代は、確かにそうだった。
戦後の日本は何もなかった。道路もない、鉄道もない、電話もない。だから、インフラを整備する必要があった。そのためには、大量の労働力と莫大な資金が必要だった。
道路公団、JR、NTT、全日空…。
これらの巨大企業が、日本の高度経済成長を支えた。「物質的な豊かさ」を追求する時代には、「大きいこと」が正義だった。
でも、もう2025年だ。
道路は整備され尽くした。新幹線は北海道から九州まで走っている。誰もがスマホを持ち、いつでもどこでもインターネットに繋がる。
もう、これ以上何を整備する必要がある?
それなのに、多くの経営者は未だに「会社を大きくすること」に取り憑かれている。まるで、1970年代の亡霊に操られているかのように。
携帯電話インフラの悲劇が教えてくれたこと
少し個人的な話をしよう。
5年前、私はポケベル・PHS系のインフラ整備プロジェクトに関わっていた。当時、このプロジェクトには数百人の技術者が投入され、数十億円の予算が動いていた。
「これからはPHSの時代だ!」
みんな、そう信じていた。
でも、あっという間に頭打ちになった。プロジェクトは縮小され、今では見る影もない。数百人いた技術者は、他の部署に異動させられた。
今、私は携帯電話向けのWebインフラ整備を担当している。予算規模は数倍に膨れ上がった。
でも、私は知っている。
これも、あと5年で終わる。
どんなに巨大なプロジェクトでも、どんなに大きな組織でも、時代が変われば一瞬で無価値になる。
タイタニックは「沈まない船」として設計された。でも沈んだ。
大きいことは、強さではない。鈍重さだ。
タイタニックより、小型プレジャーボートの方が小回りが利く
想像してほしい。
目の前に巨大な氷山が現れた。
あなたがタイタニックの船長なら、舵を切っても船は曲がらない。慣性の法則で、そのまま氷山に突っ込む。35万トンの船体は、あまりにも重すぎる。
でも、小型プレジャーボートなら?
ハンドルを軽く回すだけで、スイスイと氷山を避けられる。
これが、2025年のビジネスの真理だ。
市場は激変している。昨日の常識が、今日は非常識になる。AI、リモートワーク、サブスクリプション、Web3.0…。3ヶ月前には存在しなかったビジネスモデルが、今は主流になっている。
こんな時代に、従業員100人を抱えた重い組織で戦うのは自殺行為だ。
あなたは身軽になるべきだ。
アウトソーシングという「魔法の杖」を、なぜ使わない?
「でも、従業員を減らしたら、仕事が回らないじゃないか!」
そう思っただろう?
違う。
あなたは、アウトソーシング、派遣社員、フリーランス、AIツール…。これらの「外部の脳」を使えばいい。
経理業務? → クラウド会計ソフトとフリーランス税理士営業電話? → テレアポ代行サービスWebデザイン? → 99designsやCrowdworksで外注顧客対応? → AIチャットボット
21世紀の経営者に必要なのは、「従業員を増やすこと」ではない。「適切なツールと外部パートナーを見つけること」だ。
Amazonのジェフ・ベゾスは「2枚のピザルール」を実践している。
チームは「2枚のピザで足りる人数(6〜8人)」に保つべきだ、と。
なぜか?
小さいチームの方が、圧倒的に生産性が高いから。
会議は5分で終わる。意思決定は即座にできる。無駄なコミュニケーションコストがない。全員が「当事者」として本気で働く。
あなたの会社、ピザ何枚分ですか?🍕
年商で勝負するな。年収で勝負せよ。
ここで、残酷な計算式を見せよう。
パターンA(規模拡大型):
- 年商:5億円
- コスト:4億円(人件費・オフィス代・設備投資)
- 粗利:1億円
- 社長の取り分:800万円(残りは内部留保・税金)
パターンB(粗利重視型):
- 年商:1億円
- コスト:1000万円(外注費・ツール代のみ)
- 粗利:9000万円
- 社長の取り分:6000万円(税金を払っても手元に残る)
さて、どちらが賢い?
多くの経営者は、パターンAを選ぶ。なぜなら、名刺に「年商5億円」と書ける方がカッコいいから。取引先に「うちは従業員50人います」と言える方が信頼されるから。
でも、それは単なる見栄だ。
本当に大事なのは、「あなたが手にするお金」と「あなたが手にする自由な時間」だ。
「総売上5億、粗利1億」と「総売上1億、粗利1億」の、決定的な違い
もう一度、よく考えてほしい。
「総売上5億、コスト4億で、粗利1億」
これを達成するために、あなたは何を犠牲にした?
- 毎日12時間労働
- 週末も社員からの電話対応
- 資金繰りで眠れない夜
- 家族との時間ゼロ
- 自分の健康を蝕む
そして、粗利1億円の大半は、会社の内部留保や税金に消えていく。あなたの手元に残るのは、せいぜい800万円。
一方、「総売上1億、コスト0円で、粗利1億」
これを達成するために、あなたがやることは?
- 1日4時間だけ、好きな仕事に集中
- 残りの時間は家族と過ごす、趣味を楽しむ、旅行に行く
- 資金繰りの心配ゼロ(コストがほぼゼロだから)
- 粗利1億円の大半(税金を払っても6000万円以上)が、あなたのもの
これが、「年商で勝負する人」と「年収で勝負する人」の、天国と地獄の差だ。
恐竜は絶滅した。哺乳類は生き延びた。
6500万年前、地球に巨大隕石が落ちた。
恐竜たちは絶滅した。ティラノサウルス、トリケラトプス、ブラキオサウルス…。彼らは巨大で、強力で、地球の支配者だった。
でも、環境が変わった瞬間、彼らは適応できなかった。大きすぎたからだ。
一方、小さな哺乳類は生き延びた。ネズミのような小さな生き物が、洞窟に隠れて寒さをしのぎ、わずかな食料で生き延びた。
そして、恐竜が絶滅した後、哺乳類の時代が始まった。
今、ビジネスの世界でも同じことが起きている。
「大企業」という恐竜たちは、リストラを繰り返し、必死に生き延びようとしている。でも、彼らの多くは、いずれ絶滅する。
一方、「小さくて賢い」哺乳類型の企業が、次々と誕生している。
- 従業員5人で年商10億円のSaaS企業
- 創業者1人で年収3000万円のコンテンツビジネス
- 夫婦2人で年商5000万円、粗利率90%のECサイト
彼らは、大企業が持つ「オフィス」「会議室」「福利厚生」「退職金制度」といった重い鎧を捨てた。
その代わりに、「スピード」「柔軟性」「創造性」を手に入れた。
あなたは、恐竜になりたいか? それとも、哺乳類になりたいか?
Webサイトに数百万円使う経営者は、脳の使い方を間違えている
ここで、具体的な話をしよう。
多くの中小企業の社長が、Web制作会社に数百万円を払って、立派なWebサイトを作る。
「これで売上が上がるはずだ!」
そう期待する。
でも、1年後、そのWebサイトから得られた売上は…ゼロ。
なぜか?
「お金をかけたWebサイト」と「儲かるWebサイト」は、まったく関係がないから。
むしろ、逆だ。
- 数百万円かけて作ったWebサイト → 失敗しても修正できない(またお金がかかる)
- 数万円で自分で作ったWebサイト → 失敗したら即座に修正(コストゼロ)
試行錯誤できる人が勝つ。一発勝負の人は負ける。
これが、Webビジネスの鉄則だ。
バナー広告に毎月数十万円? それ、ドブに金を捨ててるだけです
「バナー広告を出せば、集客できるはずだ!」
そう信じて、毎月30万円をGoogle広告やFacebook広告に突っ込む経営者がいる。
で、結果は?
- クリック数:1000回
- コンバージョン率:1%
- 成約数:10件
- 売上:50万円
- 広告費:30万円
- 粗利:20万円
…おめでとう。あなたは月20万円稼ぐために、毎月30万円のリスクを負い、広告運用に毎日2時間使っている。
これって、時給換算したら1000円以下だよね?
そんなことに脳のエネルギーを使うな。
もっと賢い方法がある。それは、「広告費ゼロで集客する仕組み」を作ること。
- SEOを学んでブログを書く(コスト:0円)
- YouTubeで価値ある動画を投稿(コスト:0円)
- Twitterでフォロワーを増やす(コスト:0円)
- 口コミを生む「紹介プログラム」を設計(コスト:0円)
最強のマーケティングは、お金をかけないマーケティングだ。
粗利率90%の商品を1つ作れ。それだけで人生が変わる。
ここまで読んだあなたに、最も重要なことを伝えよう。
粗利率90%の商品を1つ作れ。
これが、すべてを変える。
粗利率90%の商品とは?
例えば:
- 情報商品: オンライン講座、電子書籍、テンプレート集(原価ほぼゼロ)
- SaaSビジネス: 月額課金型のWebサービス(サーバー代だけ)
- コンサルティング: あなたの知識と時間を売る(コストは時間のみ)
- デジタルコンテンツ: 動画編集テンプレート、プリセット、フォント(一度作れば無限に売れる)
これらの商品は、一度作れば、あとはほぼ自動的に売れ続ける。
在庫を抱える必要もない。配送コストもない。人件費もかからない。
売上の90%が、そのままあなたの財布に入ってくる。
月商100万円で、粗利90万円。これが新しい成功の形。
多くの経営者は、「月商1000万円を目指そう!」と言う。
でも、ちょっと待て。
- 月商1000万円、粗利率10% → 粗利100万円
- 月商100万円、粗利率90% → 粗利90万円
どちらが楽か? どちらがリスクが低いか? どちらが自由か?
答えは明白だ。
月商1000万円を達成するには、大量の在庫、大規模な広告、複数の従業員が必要になる。そして、売上が落ちたら地獄だ。
でも、月商100万円なら?
あなた1人でも達成できる。Webサイトとメール配信システムさえあれば、自動化できる。
これが、「年商で勝負するな、年収で勝負せよ」という意味だ。
明日から始める「粗利革命」3ステップ
じゃあ、具体的にどうすればいいのか?
ステップ1: あなたの「成功の定義」を書き換えろ
今すぐ、紙とペンを取り出せ。
そして、以下の質問に答えろ。
- 「成功した経営者」と聞いて、あなたが最初にイメージすることは?
- 「年商10億円」?「従業員100人」?「広いオフィス」?
- それ、本当にあなたが欲しいものか?
- あなたが本当に欲しいものは何だ?
- 自由な時間?
- 家族と過ごす時間?
- 好きな仕事だけをする人生?
- 毎年海外旅行に行ける余裕?
- そのために、本当に必要な年収はいくらだ?
- 年収1000万円あれば、十分じゃないか?
- だったら、わざわざ「年商10億円」を目指す必要があるのか?
この質問に正直に答えた瞬間、あなたの脳内革命が始まる。
ステップ2: 利益を生まない「贅肉」を切り落とせ
次に、あなたのビジネスを見直せ。
- 利益を生んでいない商品・サービスをリストアップしろ。そして、今すぐ辞めろ。
- アウトソーシングできる業務を洗い出せ。そして、外注先を探せ。
- 無駄な固定費(広すぎるオフィス、使っていないツール、効果の出ない広告)をすべてカットしろ。
これだけで、あなたの粗利率は確実に10%上がる。
ステップ3: 粗利率80%以上の商品を1つ作れ
最後に、粗利率80%以上の商品・サービスを1つ作れ。
「そんなの無理だよ!」
そう思っただろう?
違う。あなたにはできる。
あなたが過去10年で培ってきた知識、経験、ノウハウ。それをパッケージ化するだけでいい。
- あなたが得意なこと → オンライン講座にする
- あなたが解決してきた問題 → コンサルティングサービスにする
- あなたが使っているテンプレート → デジタル商品として売る
原価ゼロ。在庫ゼロ。粗利率100%。
これが、21世紀の最強ビジネスモデルだ。
あなたは今、人生の分岐点に立っている
最後に、もう一度問う。
あなたは、恐竜になりたいか? それとも、哺乳類になりたいか?
「大きいことはいいことだ」という1970年代の亡霊に取り憑かれたまま、重い組織を引きずって生きるのか?
それとも、「小さくて、賢くて、自由」という21世紀の新しい成功モデルを選ぶのか?
選択肢は、あなたの手の中にある。
もし、あなたが「粗利革命」を起こす決意をしたなら、今日から以下のことを実行してほしい:
- 今月の粗利額を計算する(売上ではなく、粗利だ)
- 粗利率を10%上げるために削れるコストをリストアップする
- アウトソーシングできる業務を3つ書き出す
そして、毎月、「年商」ではなく「粗利額」と「粗利率」だけをKPIにしろ。
これだけで、あなたの人生は確実に変わる。
タイタニックは沈んだ。でも、小型プレジャーボートは、今日も自由に海を駆け巡っている。
あなたは、どちらの船に乗りたい?
P.S. ちなみに、Amazonのジェフ・ベゾスは、Amazonを創業した時、従業員は彼を含めて3人だけだった。オフィスはガレージ。デスクは廃材で作った手作り。でも、彼は「世界最大のオンライン書店を作る」という夢を持っていた。そして、実現した。大事なのは、会社の規模じゃない。あなたの夢の大きさだ。
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