「クラウドソーシングでWebライターとして記事を書いているけど、満足に稼げていない…」
そんな悩みを抱えている人に、ぜひ読んでほしい対談記録がある。
先日、ランサーズで圧倒的な成果を上げている主婦ライターの方とSkypeで対談する機会を得た。(2017年の記事です)
月に20万〜30万円を、クラウドソーシングのWebライター(記事執筆)のみで稼いでいる方だ。
まだ20代。アフィリエイトでこの金額なら珍しくもないが、クラウドソーシングのライター作業だけで月20〜30万というのは、間違いなくトップクラスに入る。
正直に言おう。私はこのスタンスでやれと言われても絶対に無理だ。ある意味、尊敬してしまう。
最初に断っておくが、この方は私がクラウドサービスで依頼しているライターさんとは真逆の人物だ。
普段、私はクライアント目線で書くことが多いが、今回はライター視点で稼ぐための記事である。
まだWebライターとして満足に稼げていない方は、ぜひとも参考にしてほしい。
(私はクラウドソーシングで稼ぐのを推奨しているわけではないが、在宅ライターとして稼ぐ作業量の目安として知っておく価値はあると思う)
たぶん、ほとんどのライターは「自分の作業量と比較して絶望的」になってしまうと思うが…
月20万円を稼ぐ主婦ライターの圧倒的作業量
月の執筆本数は脅威の200〜300本
とにかく圧倒的な量をこなしている。
その数、月200記事オーバー。
この時点ですごすぎる。
ちなみに1つのクライアントではなく、複数のクライアントと契約していて、1つのクライアントにつき:
- 月30本
- または月50本
とかの単位らしい。
アフィリエイト記事ではなく、恋愛コラムや美容全般がやはり得意で、クライアントの需要もあるらしく、また:
「自分も知識があるので圧倒的に早くできる」
とおっしゃっていた。
しかしまあ、ライター業務で月200記事以上ってのは凄すぎ! と思ったが、その方は:
「こんなのまだまだで、もっとすごい人はいくらでもいますよ(笑)」
と言っていて、さらにビビった。
「徹底した時間管理」1つの記事に時間をかけない
リサーチから執筆終了まで、1つの記事にかける時間は30分以内。
納品形態はクライアントによって違うらしいが、オーソドックスにメッセージ欄にzipファイルをまとめて添付するというスタイルのようだ。
納品形式は少しパソコンに詳しい方なら柔軟に対応できると思う。
しかし、すごいのはここからだ。
「キッチンタイマーをパソコンのそばに置いておき、絶対に1記事30分以内に終わらせるようにしています」
そうすることによって、初めて自分の本当のパフォーマンスが出せると説明してくれた。
そして、こうして時間を決めないと:
「時間を制限(締め切りを設定)しているときに比べて5倍位の時間がかかります。単価が決まっているのに時間をかけすぎると自己嫌悪になるんです」
とはっきり仰っていた。
私も締め切りの効果は実感しているが、5倍も開きが出るというのは実感したことがなかったので、ある意味衝撃だった。
しかし、これはある意味理解できる。
確かに小学生の算数問題とかは、終了時間を決めないと早くならないし、先生が「今日中にはなんとか仕上げましょう」みたいなレベルでは、計算問題が強くなるどころか、惰性が働いて「計算能力が逆に遅くなり、嫌いになる」と思う。
なかなかアフィリエイターの方でも明確な時間を設定している人はいないし、普通の人なら:
「記事作成は自由。そんな苦痛なことを毎日続けたらストレスで死んでしまう」
と考えると思う。
しかし:
「時間制限により記事作成がとんでもないスピードが達成できれば、逆にアドレナリンが出まくって、ものすごい快感なんです」
とのこと。
時給2,000円以下はやらない
「プロのライターだから金額にはこだわるべき。1日頑張って記事を書いて4,000円いかないような仕事はやればやるほど自信がなくなってくると思います…」
この作業に対する対価も徹底されていた。
8時間くらいでの金額らしいが、実際これくらいの金額で作業しているライターさんはお仲間にも結構多いそうだ。
で、ここからが問題で、その金額で作業を続けると色々精神的に疲弊してくるとか…
その金額で長く続けると:
「ライター業を副業としているはずなのに、Webライターの中では下層の位置づけになり、自分の仕事および作成した記事に全く自信が持てなくなるんです。結果続かないし、なによりも自信がない状態で記事を書くと作成に時間がかかってしまいます」
まあ、私がパートナーとしている外注さんはこれと真逆の人で、どちらかというと「記事作成が楽しい。わ〜い」みたいな人なので、アマチュア感覚だ。
副業でプロとして、Webライターで食べていくシビアさというのが痛感できた。
やっぱり、なんでもそれなりの金額を稼ごうとなると、はっきりとしたビジョンと戦略が必要だ。
「納品」という対価をもらうレベルでの仕事は、この時給や日給という考え方が非常に重要だと思った。
ライター業とともに実は外注もやっていた
これも結構面白い。
この方はライターで稼ぎつつ、同じランサーズでクライアントとしても活動しているそうだ。
理由は単純明快で:
「ライターとして得た金額の使いみちが一番生かせると思ってます」
この考え方ができる人ってなかなかいないと思う。
何文字をどれくらいの金額で? は聞くのを忘れたが、だいたい月に3万円くらいを目安として色々なライターを雇っているそうで、このあたりの記事を調べていて当ブログに行き着いたみたいだ。
聞いてないが、たぶん、こういう方はライターからクライアントに移行した方なので、記事を書くアドバイスとかもすごく明確にできると思う。
どういうアドバイスをしているのか? も含めて、再度Skypeで質問してみようと思う。
対談を終えて:印象に残った言葉
今回の対談の話は、私が依頼している外注さん、もしくはこれから依頼したい外注さんのターゲットとは真逆のところにいる人だが、ライターとして稼ぐという点ではすごく勉強になった。
特に印象に残ったのは:
「副業ライターなんだから、自分の時給や文字単価に真剣に向き合うべき。じゃないと、お金を基準にしているライターはそれが低いとどんどん自分の能力に否定的になる」
といった部分だった。
まあ、私の仕事を手伝ってくれている外注さんは、あえてこの部分の方は選ばないようにしている。
その方ももちろんそこは分かっていて、「外注ライターにもホント色々な目的で記事を書いている人がいる」と。
なので「楽しく仕事できればいいや」みたいなスタンスの人が多いのであまり関係ないのだが、仕事として記事を書いている方は、この作業量や意識の持ち方をぜひ参考にしてみてほしい。
ついつい記事作成に時間をかけてしまう人は、とりあえず締め切り(制限時間)を作ってみるところから始めてはいかがだろうか?
それだけで作業効率が今までの5倍以上になるかもしれない。
【追記】AI時代のライターとしての考え方・戦い方
さて、ここまでは圧倒的な作業量で稼ぐトップライターの話だった。
しかし、今は状況が大きく変わっている。
AI時代の今、「量だけで勝負する」戦略は通用しなくなりつつある。
なぜか?
AIが「量産」の部分を担えるようになったからだ。ChatGPTやClaudeに丸投げすれば、誰でもそれっぽい記事を量産できる時代になった。
では、AI時代のライターはどう戦うべきか?
量から質へ:AI時代のライター戦略
上記の対談相手は、月200〜300記事という圧倒的な量で勝負していた。これは素晴らしい戦略だったし、今でも通用する部分はある。
しかし、AI時代の今、より重要なのは:
「AIには書けない記事を書けるか」
この一点だ。
具体的には:
- 体験ベースの記事
- AIは体験を持っていない
- 「私が実際に使ってみた結果」「失敗談から学んだこと」は人間しか書けない
- 感情を動かす記事
- AIの文章は正確だが、心に刺さらない
- 共感、驚き、笑い、感動を生む文章は人間の領域
- 専門性と独自視点
- 誰でも知っている情報はAIで十分
- しかし「業界10年の私だから気づいた落とし穴」はAIには書けない
- 文脈を読む力
- クライアントの本当のニーズを理解する
- 「こう書けと言われたけど、本当に求めているのは別のこと」を察知する力
AIを「敵」ではなく「相棒」にする
重要なのは、AIを恐れるのではなく、使いこなす側に回ることだ。
例えば、上記のトップライターは1記事30分で書いていた。これは驚異的なスピードだが、AI時代ならこう変わる:
【AI活用版ワークフロー】
- AIにリサーチを任せる(5分)
- 「このテーマで書くべきポイントを5つ挙げて」
- 「読者が知りたいことを予測して」
- AIに構成(台本)を作らせる(3分)
- 「この5つのポイントを含む記事構成を作って」
- 「導入・本論・結論の流れで」
- 人間が体験と感情を肉付けする(15分)
- 構成の各セクションに、自分の体験を追加
- 共感を呼ぶエピソードを挿入
- 意外な気づきや失敗談を追加
- AIで文章を磨く(2分)
- 「この文章をもっと読みやすくして」
- 「誤字脱字をチェックして」
合計25分。しかも、クオリティは従来の30分記事より高い。
これが、AI時代のライター戦略だ。
「量産ライター」から「戦略的ライター」へ
もう一つ重要な視点がある。
上記のトップライターは、ライター業で得た収入を「外注」に投資していた。これは非常に賢い戦略だ。
AI時代なら、この戦略はさらに進化する:
【AI時代の収入の使い道】
- AI有料プランへの投資
- ChatGPT Plus、Claude Pro、Gemini Advanced
- 月3,000〜4,000円の投資で、作業効率が10倍になる
- 専門知識への投資
- オンライン講座、書籍、セミナー
- AIには書けない「専門性」を身につける
- これが差別化の源泉になる
- ニッチ分野の開拓
- 誰でも書ける分野はAIに奪われる
- しかし「ニッチだが需要がある分野」は人間の領域
- 美容、恋愛、子育てなど体験が重要な分野は特に強い
AI時代のライターが持つべき3つのスキル
最後に、AI時代のライターが持つべきスキルをまとめておく:
1. プロンプト設計力
- AIから最高の出力を引き出す質問力
- これが新時代の「文章力」に匹敵する
2. 体験と感情の言語化力
- 自分の体験を、読者の心に刺さる形で表現する
- AIには絶対にできない領域
3. 戦略的思考力
- どの分野で戦うか
- どのクライアントと組むか
- どこにリソースを投資するか
量だけで勝負する時代は終わった。
しかし、これは悪いニュースではない。
なぜなら、AI時代は「本当に価値あるライター」が正当に評価される時代だからだ。
量産だけのライターはAIに置き換えられる。しかし、体験と感情と専門性を持つライターは、むしろ需要が増える。
あなたはどちらのライターになりたいだろうか?
答えは明白だと思う。
上記のトップライターが持っていた「徹底した時間管理」と「プロ意識」。これらはAI時代でも変わらず重要だ。
しかし、それに加えて「AIを相棒として使いこなす力」を身につけることで、あなたはAI時代の勝者になれる。
量から質へ。労働集約型から戦略型へ。
AI時代のライターとして、新しい戦い方を始めよう。
rinyanさんのブログは役に立つ記事が多いです。
今回の記事も、とても興味深く勉強になりました。
記事中のライターさんは自分のサイトを公開されているのでしょうか?
もし公開されているなら、是非教えていただきたいのですが。