「ブログを始めたけど、だんだん何を書けばいいか分からなくなってきた」
2016年、私はこの悩みに「Yahoo!知恵袋を1時間読み漁れ」と答えていた。
そして実際、私は知恵袋を開き:
- 「頭痛」で検索
- 質問を一つ一つ読む
- Excelに手作業でコピペ
- カテゴリに分類
- 記事テーマを考える
この作業に1〜1.5時間かけて、111個の記事テーマを抽出していた。
しかし2025年の今、状況は劇的に変わった。
今、私が「昔の自分」に会えるなら、こう言うだろう。
「手作業での知恵袋リサーチは素晴らしかった。でもね、それは『望遠鏡で星空を一つずつ観測する作業』だった。今、私たちが手にしているのは『ハッブル宇宙望遠鏡で、銀河全体を一瞬で撮影し、そこから惑星の座標まで自動抽出する技術』なんだ」
それでも、本質は何も変わっていない。
キーワードを「考える」のではなく、悩みを「拾う」
この原則は、2016年も2025年も同じである。
今回は、2025年版・知恵袋リサーチの革命的な手順と、そして「AIが描き出す悩みの宇宙」についてお話ししたい。
2016年の真実──それは今も変わらない
まず、断言しておきたい。
キーワードツールなんて参考にする必要はない。
これは2016年も2025年も真実である。
なぜか?
理由は単純だ。
本当に深い悩みを抱えている人は、そんな単純・薄っぺらいキーワードでは検索してこないから。
例えば「頭痛」というキーワード。
キーワードツールを見れば:
- 頭痛 原因
- 頭痛 治し方
- 頭痛 薬
- 頭痛 こめかみ
こんな複合キーワードが出てくる。
しかし──
これらのキーワードだけ見て、ニーズを満たす記事を書くのは無理がある。
なぜなら「頭痛」の裏には:
- 緊張型頭痛
- 片頭痛
- 群発頭痛(別名:自殺頭痛)
- 薬物乱用頭痛
これらすべてが隠れているからだ。
そして、それぞれで:
- 悩みが違う
- 対処法が違う
- むしろ逆効果な対処法もある
キーワードだけでは、この「悩みの地層」が見えない。
2016年のリサーチ手順──それは「考古学的発掘作業」だった
2016年、私はこうやってリサーチしていた:
ステップ1:Yahoo!知恵袋で検索(10分)
「頭痛」で検索。 質問を一つ一つ開いて読む。
ステップ2:質問をExcelにコピペ(30分)
気になる質問を、手作業でコピペ。
- 「頭の左側だけ痛い」
- 「薬が効かなくなってきた」
- 「吐いてしまって食べられない」
こういう生の悩みを、地道に集める。
ステップ3:カテゴリに分類(20分)
集めた悩みを、手作業で分類:
- 緊張型頭痛
- 片頭痛
- 群発頭痛
- 混合型頭痛
- 慢性化する頭痛・病気
- 食べ物関連
- 具体的な症状
- 解決方法
- 頭痛薬・副作用
ステップ4:記事テーマを抽出(30分)
各カテゴリから、記事テーマを考える:
- 「ストレートネックと頭痛の関係」
- 「生理前の頭痛と女性ホルモン」
- 「ロキソニンが効かなくなってきた人へ」
合計:約1〜1.5時間
そして111個の記事テーマが完成。
これは当時の最善だった。そして実際、これで結果を出した。
2025年の革命──AIが「悩みの宇宙」を一瞬で可視化する
しかし2025年、状況は変わった。
今、私が「頭痛」ジャンルのリサーチをするなら:
ステップ1:知恵袋をスクレイピング(3分)
重要:回答はスクレイピングする必要はない。質問だけでいい。
なぜなら、私たちが欲しいのは:
- 「何に悩んでいるか」(=質問)
- 「どう検索しているか」(=質問のタイトル)
この2つだけだからだ。
回答は不要である。むしろ、数万文字のノイズになる。
Pythonの簡単なスクリプトで:
import requests
from bs4 import BeautifulSoup
keyword = "頭痛"
# Yahoo!知恵袋から質問タイトルのみを抽出
# (具体的なコードは省略)
または、もっと簡単に:
- ブラウザの拡張機能でスクレイピング
- Google Sheetsのスクリプトで自動取得
どちらでもいい。
重要なのは:質問だけを大量に集めること
目標:500〜1000件の質問タイトル
ステップ2:質問データをAIに投げる(1分)
集めた数万文字の質問データを、AIに投げる。
【プロンプト例】
以下は、Yahoo!知恵袋から取得した「頭痛」に関する質問リストです。
このデータから:
1. 質問を意味のあるカテゴリに自動分類
2. 各カテゴリごとに:
- 記事テーマ(タイトル案)
- 狙うべきキーワード
- meta description(120文字)
3. 「検索ボリュームは小さいが、悩みが深い」テーマを特に重視
出力形式:JSON
制約条件:
- カテゴリは8〜12個程度
- 各カテゴリに8〜15個の記事テーマ
- 合計100個以上の記事テーマを出力
- キーワードは「本当にその悩みを持つ人が検索する言葉」を優先
[質問データを貼り付け]
ステップ3:AIが「悩みの宇宙」を可視化(2分)
AIは瞬時に:
{
"categories": [
{
"name": "緊張型頭痛(デスクワーク起因)",
"themes": [
{
"title": "パソコン作業8時間で頭痛が悪化──根本原因は「姿勢」ではなく「呼吸」だった",
"keywords": ["デスクワーク 頭痛", "パソコン 頭痛 対策", "長時間作業 頭痛"],
"description": "デスクワーク中の頭痛、実は姿勢だけが原因ではありません。見落とされがちな「呼吸の浅さ」と頭痛の関係、そして今日から実践できる3つの対処法を解説します。"
},
{
"title": "ストレートネックと頭痛の悪循環を断つ──整体に行く前に試すべき3つのこと",
"keywords": ["ストレートネック 頭痛", "スマホ首 頭痛", "首 頭痛 関係"],
"description": "ストレートネックが原因の頭痛に悩んでいませんか? 整体やカイロに行く前に、自宅で今すぐできる根本的なアプローチを3つ紹介します。"
}
// ...続く
]
},
{
"name": "片頭痛(女性ホルモン関連)",
"themes": [
{
"title": "生理前の頭痛がひどい──ピルという選択肢を考える前に知っておきたいこと",
"keywords": ["生理前 頭痛 ひどい", "PMS 頭痛", "女性ホルモン 頭痛"],
"description": "生理前の頭痛に悩む20〜30代女性へ。ピルの効果と副作用、そして「ホルモンバランスを整える」ために今日からできることを医学的根拠とともに解説。"
}
// ...続く
]
},
{
"name": "薬物乱用頭痛(最も深刻)",
"themes": [
{
"title": "ロキソニンが効かなくなってきた──それは「薬物乱用頭痛」のサインかもしれない",
"keywords": ["ロキソニン 効かない", "頭痛薬 効かなくなった", "薬物乱用頭痛"],
"description": "頭痛薬を週3回以上飲んでいませんか? 実は薬の飲みすぎが、さらに頭痛を悪化させる「薬物乱用頭痛」の可能性があります。抜け出すための具体的な方法を解説。"
}
// ...続く
]
}
// ...他のカテゴリも続く
],
"high_intent_low_volume_themes": [
{
"title": "群発頭痛(自殺頭痛)で救急車を呼ぶべきタイミング──経験者が語る対処法",
"keywords": ["群発頭痛 救急車", "自殺頭痛 対処", "群発頭痛 激痛"],
"description": "「転げ回るほどの激痛」と表現される群発頭痛。救急車を呼ぶべきか迷ったら、このサインを確認してください。経験者の視点から、医師に伝えるべき情報も解説。",
"note": "検索ボリュームは小さいが、悩みの深さは最上級。コンバージョン率が高いと予想される。"
}
// ...続く
]
}
このような、完璧に構造化されたデータを出力する。
合計:約6分
15倍速である。
しかし──「質問だけ」を集めるべき理由
ここで、重要なポイントがある。
なぜ、回答はスクレイピングしなくていいのか?
理由は3つある:
1. 私たちが欲しいのは「悩み」であって「答え」ではない
記事を書くのは、私たち(とAI)の仕事だ。 知恵袋の回答者の仕事ではない。
質問さえあれば:
- どんな悩みがあるか
- どう検索しているか
- どれくらい深刻か
これらすべてが分かる。
2. 回答を含めると、データが膨大になりすぎる
質問だけ:約500件 = 5万文字 質問+回答:約500件 = 30万文字
AIに投げるとき、余計なノイズが増える。
3. 回答の質はバラバラ
知恵袋の回答は:
- 素人の推測
- 間違った情報
- 広告目的の誘導
これらが混ざっている。
私たちが欲しいのは「悩みの生データ」だけだ。
2025年版ワークフロー──完全版
では、実際のワークフローを見てみよう。
ステップ1:スクレイピング用プロンプト(3分)
まず、スクレイピングツールで質問を集める。
または、こういうプロンプトを使う:
【プロンプト:スクレイピング支援】
Yahoo!知恵袋から「頭痛」に関する質問を500件取得するための:
1. Pythonスクリプト(質問タイトルのみ抽出)
2. Google Apps Scriptのコード
3. ブラウザ拡張機能の推奨
を教えてください。
重要:回答は不要。質問タイトルと質問本文だけでOK。
これで、AIがコードを書いてくれる。
コピペして実行。3分で500件の質問が集まる。
ステップ2:AIに分析させる(2分)
集めた質問データを、先ほどのプロンプトに投げる。
すると:
- 8〜12個のカテゴリ
- 合計100個以上の記事テーマ
- 各テーマのキーワード
- meta description
すべてがJSON形式で出力される。
ステップ3:「深い悩み」を優先順位づけ(1分)
【プロンプト:優先順位づけ】
上記の100個の記事テーマを:
1. 検索ボリューム(推定)
2. 悩みの深さ(1-10)
3. コンバージョン率の期待値(低/中/高)
4. 競合の強さ(弱/中/強)
で評価し、「最初に書くべき20記事」をランキング形式で出力してください。
AIが、優先順位をつけてくれる。
合計:約6分
2016年の90分が、2025年は6分になった。
「悩みの宇宙」から見える、人間の本質
ここで、面白いことに気づく。
AIが可視化した「悩みの宇宙」を見ると:
検索ボリュームが大きいキーワード:
- 「頭痛 治し方」
- 「頭痛 薬」
- 「頭痛 原因」
これらは、悩みが「浅い」。
検索ボリュームが小さいキーワード:
- 「ロキソニン 効かなくなった 不安」
- 「群発頭痛 救急車 呼ぶべきか」
- 「頭痛薬 やめたい でもやめられない」
これらは、悩みが「深い」。
そして、悩みが深いほど、コンバージョン率が高い。
なぜなら:
- 切実に解決したい
- お金を払ってでも解決したい
- 今すぐ行動したい
こういう心理状態だからだ。
2016年、私は手作業でこれに気づいた。 2025年、AIは一瞬でこれを可視化する。
しかし──
「どの悩みに焦点を当てるか」を決めるのは、人間である。
1ソースマルチユースの真髄──再び
一度「悩みの宇宙」を可視化すれば:
元データ:
知恵袋の質問500件
ここから展開:
- ブログ記事100本分のテーマ
- YouTube動画50本分の台本
- X(旧Twitter)投稿200本分のネタ
- Podcast 20エピソード分の構成
すべてが、**同じ「悩みの地図」**から生まれる。
これは、まるで:
「一つの鉱山から、金も銀も銅も、すべて採掘できる」
ようなものだ。
重要なのは「鉱山を見つけること」(=知恵袋からデータを集めること)。
そして「どの鉱脈が豊かか見極めること」(=AIに分析させること)。
2016年の「知恵袋マクロ」から、2025年の「AI分析」へ
2016年、私はメルマガ読者に「知恵袋の質問と回答を自動抽出するマクロ」を配っていた。
あれは、当時の最善だった。
しかし2025年、そのマクロは:
「石器時代の斧」
になった。
今必要なのは:
- スクレイピングスクリプト(質問のみ)
- AIへの分析プロンプト
- 出力されたJSONデータの活用
この3つだ。
そして何より:
「質問だけを集める」という、シンプルな原則
回答は不要。悩みさえ分かれば、答えは私たち(とAI)が作る。
それでも「人間の直感」は消えない
ここで、誤解してほしくない。
AIは万能ではない。
AIは:
- 質問を分類するのは得意
- パターンを見つけるのは得意
- 大量データから法則を導くのは得意
しかし:
- 「この悩み、実は別の角度から見ると面白い」という気づきは持っていない
- 「このニッチ、競合が少ない今が狙い目」という嗅覚はない
- 「この記事、書いてて楽しそう」という直感もない
だから、ワークフローはこうなる:
- 人間:「このジャンルを調べたい」(テーマ選定)
- **AI:**知恵袋から質問を自動収集
- **AI:**質問を分析し、カテゴリ化
- **AI:**記事テーマ100個を生成
- 人間:「この20個が面白そう」と選別
- **AI:**選んだ20個の詳細な記事台本を生成
- **人間:**台本を見て「ここは自分の体験を入れよう」と調整
- **AI:**調整後の台本から記事を展開
この**「人間とAIの協働」**が、2025年の最適解である。
「リサーチが8割、記事を書くのが2割」は、今も真実
2016年、私はこう書いていた:
「リサーチが8割、記事を書くのが2割」
これは2025年も、全く変わらない真実だ。
ただし──
リサーチの方法が、劇的に進化した。
2016年のリサーチ:
- 1ジャンルにつき1〜1.5時間
- 手作業で質問を読む
- Excelに分類
- 記事テーマを考える
2025年のリサーチ:
- 1ジャンルにつき6分
- AIが質問を分析
- 自動で分類
- 記事テーマも自動生成
しかし、「良いテーマを選ぶ」のは、人間の仕事。
ここは変わらない。
具体例:「頭痛」ジャンルで何を売るか?
2016年、私はこう書いていた:
「頭痛薬を飲み続けることに不安を感じている人がほとんど。 『薬に頼らずに頭痛を改善・軽減するための様々なアイテム』を紹介しよう」
これは2025年も正しい。
ただし、2025年は:
AIに「収益化戦略」も考えさせる
【プロンプト:収益化】
「頭痛」ジャンルのブログで、以下の条件を満たす収益化戦略を提案してください:
条件:
1. 薬を売らない(法的リスク回避)
2. 読者の悩みに本当に役立つものだけ
3. Amazonアソシエイト、楽天アフィリで扱える商品
4. 成約率が高そうな商品カテゴリ
出力:
- 商品カテゴリ5つ
- 各カテゴリの具体的商品例
- どの記事テーマから、どの商品に誘導するか
AIが、収益化戦略まで提案してくれる。
出力例:
{
"strategies": [
{
"category": "ホットアイマスク・冷却ジェル",
"products": ["めぐりズム", "アイスノン", "冷却枕"],
"target_articles": ["デスクワーク頭痛", "目の疲れから来る頭痛"],
"conversion_approach": "記事内で対処法を説明した後、『特に効果的だったアイテム』として自然に紹介"
},
{
"category": "姿勢矯正グッズ",
"products": ["バランスボール", "ストレートネック枕", "姿勢矯正ベルト"],
"target_articles": ["ストレートネックと頭痛", "猫背が原因の頭痛"],
"conversion_approach": "『根本原因は姿勢』という文脈で、解決策の一つとして提示"
}
// ...続く
]
}
これが2025年の魔法である。
最後に──2016年の私へ、そして今のあなたへ
2016年の私は、知恵袋を1時間読み漁り、手作業で質問をExcelに書き出し、カテゴリに分類していた。
それは当時の最善だった。そして実際、それで結果を出した。
しかし2025年の今、私たちが手にしているのは比較にならないほど強力な武器だ。
ただし──
武器を持っているだけでは勝てない。
必要なのは:
- スクレイピングの基礎知識(質問だけを集める)
- AIへの分析プロンプト設計力
- 「悩みの宇宙」から「光る悩み」を見つける直感
- その悩みに対する記事を書く技術
これらを習得すれば:
- 1ジャンルのリサーチが6分で完了
- 100個の記事テーマが自動生成される
- それぞれにキーワードとdescriptionがついてくる
- 「深い悩み」が優先順位づけされる
これが2025年の現実である。
重要なのは:
「キーワードを考えない」 「悩みを拾う」
この原則は、2016年も2025年も変わらない。
ただし、拾い方が劇的に進化した。
2016年、私は1時間かけて111個のテーマを抽出していた。 2025年、私は6分で100個のテーマを抽出できる。
しかし──
「どのテーマが面白いか」を決めるのは、今も昔も、人間である。
さあ、今日から始めよう。
あなたの「リサーチ」が、明日には「悩みの宇宙」に変わる。
それが、2025年の魔法だ。
P.S. もしあなたが「知恵袋を手作業で読むのが面倒」と思っているなら──それは正常だ。2025年、その作業はAIに任せるべきだ。あなたは「どの悩みが面白いか」を判断することに集中してほしい。
P.P.S. 回答はスクレイピングしなくていい。質問だけでいい。悩みさえ分かれば、答えはAIたちが作る。これが2025年のリサーチの鉄則である。
いつもブログ楽しみにしています。
今回のGoogleのアップデートで悩み系の記事が圏外になってしまいました。
りんやんさんは影響がありましたでしょうか?
コメントありがとうございます。さすがに圏外に飛んだものはないですがアクセスが下がったのはいくつかあります。ただ、済んでしまったことは仕方ないので、これからも同じやり方でサイトを量産していきます。
わたしも諸先輩から「ペナルティ喰らってからが本当のスタートだ」みたいな教育を受けてきましたので、後ろは振り返らずに前に進んでいきたいと思います。