2016年、私はマンダラートで必死にアウトラインを作っていた。2025年、私はAIにマンダラートを作らせている。
※この記事は厳密に言うとマンダラートは出力されませんが、マンダラートの考え方をテーマの構築に当てはめたものです。
メモは書き殴りが当たり前だった私にとって、マインドマップは「作成すること自体」が苦痛だった。
よく聞くだろう?「一つのテーマを掘り下げる時はマインドマップを使いましょう!」という説明を。
しかし、私の性格上、これが致命的に合わなかった。理由は単純である。「個数が決まっていない」ものに立ち向かうのが、どうにも苦手なのだ。
100記事書く、300記事がゴール、2000文字以上、15分以上、3ヶ月、1時間で、10万円以上、1日5記事——私のブログには頻繁に数字が登場する。(今気づいたが、我ながら数字フェチである)
そこで辿り着いたのがマンダラートだった。9マス(中心1つ+周囲8つ)という明確な枠組み。これなら私にも書ける。当時は紙とボールペンで必死に埋めていた。
2016年当時、このマンダラートは「ブログ記事のアウトライン作成」に絶大な威力を発揮した。音声入力と組み合わせることで、下書き→音声入力→修正という流れで、驚くほど効率的に記事を量産できた。
しかし、時代は変わった。
2025年、マンダラートは「記事のアウトライン作成」ツールではない
正直に言おう。
生成AI時代において、マンダラートを使って「記事のアウトライン」を人間が考えるのは、もはや時代遅れである。
なぜか?
ChatGPT、Claude、Geminiに「このテーマで記事のアウトライン8つ考えて」と言えば、3秒で出てくるからだ。しかも、あなたが30分かけて考えるより、おそらく質が高い。
これは「マンダラートが役に立たなくなった」という意味ではない。マンダラートの「真の使い方」が変わったのだ。
マンダラートの真の価値:「1→8→64」のテーマ拡張エンジン
AIに直接「記事を書いて」と頼んで、出てきた文章を見て「うーん…」となった経験、あなたにもあるだろう?
AIは「指示されたこと」は完璧にこなす。しかし「何を指示すべきか」は教えてくれない。
ここにマンダラートの新しい役割がある。
**マンダラートは、2025年においては「AIへの完璧な指示書を生成するための設計図」**なのだ。
具体的に説明しよう。
「AIツール」という1語が、512個のコンテンツアイデアになる瞬間
例えば、あなたが「AIツール」というテーマでコンテンツを作りたいとする。
第1段階:中心テーマから8つへ
まず、AIに以下のように指示する:
「AIツール」というテーマから、関連する8つのサブテーマを抽出してください。
それぞれが独立したコンテンツとして成立するレベルの具体性で。
すると、AIはこんな8つを返してくれる:
- ChatGPT
- Claude
- Gemini
- NotebookLM
- n8n
- Cursor
- Midjourney
- ElevenLabs
これで9マス(中心1+周囲8)の第1階層が完成。
第2段階:8つから64個へ
ここからが本番である。
今度は、この8つのそれぞれに対して、さらに8つのサブテーマを生成させる。
例えば「ChatGPT」に対して:
「ChatGPT」というテーマから、さらに深掘りした8つのサブテーマを抽出してください。
初心者向けから上級者向けまで、バランスよく。
すると:
- 基本的な使い方
- プロンプト設計のコツ
- Custom GPTsの活用
- API連携の実例
- ビジネス活用事例
- 料金プランの比較
- セキュリティと注意点
- 最新アップデート情報
これを8つのテーマ全てに対して実行する。
8×8=64。
たった「AIツール」という1語から、64個の具体的なコンテンツテーマが爆誕する。
これはもう、マンダラートではない。テーマ拡張エンジンである。
※ガチ勢はManusやGoogle AI StudioのBuildなんかでアプリ作ると更に自動化できる
さらに深掘りするなら、64→512へ
もしあなたが本気なら、この64個のそれぞれに対して、さらに8つのサブテーマを生成できる。
64×8=512。
512個のコンテンツアイデア。
もはやこれは、「アイデアに困る」という概念が消滅する瞬間である。
しかし、ここで重要な問いが生まれる
「じゃあ、AIに全部やらせればいいじゃん?」
その通り。AIに「AIツールについて64個のテーマを考えて」と言えば、確かに出てくる。
しかし、ここに決定的な違いがある。
マンダラート形式で段階的に拡張したテーマと、一気に64個出させたテーマでは、「質」が全く異なる。
なぜか?
マンダラート形式では、各階層で「文脈」が保たれるからだ。
- ChatGPT→基本的な使い方→初心者が最初に試すべき3つの質問
- ChatGPT→API連携→SlackとChatGPTを連携させる手順
このように、親テーマ→子テーマ→孫テーマの関係性が明確になる。
一方、一気に64個出させると、テーマ同士の繋がりが曖昧になり、「なんとなく並んでるだけのリスト」になりがちだ。
これが、2025年におけるマンダラートの真価である。
実践:完璧なマンダラート生成プロンプト
では、この「1→8→64」を実現する完璧なプロンプトを紹介しよう。
私が実際に使っているものだ。(我ながらナイスアイデアである)
ステップ1:第1階層(1→8)生成プロンプト
あなたは、コンテンツ戦略の専門家です。
与えられた中心テーマから、マンダラート形式で8つの関連サブテーマを抽出してください。
# 条件
- 各サブテーマは独立したコンテンツとして成立するレベルの具体性
- 重複や類似を避け、明確に区別できるテーマ
- 初心者から上級者まで、幅広い層をカバー
- 実用性と独自性のバランスを重視
# 出力形式
中心テーマ:[入力されたテーマ]
1. [サブテーマ1]
2. [サブテーマ2]
3. [サブテーマ3]
4. [サブテーマ4]
5. [サブテーマ5]
6. [サブテーマ6]
7. [サブテーマ7]
8. [サブテーマ8]
各サブテーマに対して、1行で簡潔な説明を添えてください。
# 中心テーマ
[ここにあなたのテーマを入力]
あくまで考え方なのでこれをベースに自由にプロンプトを変更してね。
ステップ2:第2階層(8→64)生成プロンプト
あなたは、コンテンツ戦略の専門家です。
以下の親テーマに対して、さらに深掘りした8つのサブテーマを抽出してください。
# 親テーマ
[第1階層で生成されたサブテーマの1つ]
# 条件
- 親テーマの範囲内で、さらに具体的なサブテーマを8つ
- 各サブテーマは独立した記事やコンテンツとして成立するレベル
- 初心者向け、中級者向け、上級者向けをバランスよく
- 実践的で、読者が「これ知りたかった!」と思える内容
- 親テーマとの関連性を保ちつつ、重複を避ける
# 出力形式
親テーマ:[親テーマ名]
1. [サブテーマ1]
2. [サブテーマ2]
3. [サブテーマ3]
4. [サブテーマ4]
5. [サブテーマ5]
6. [サブテーマ6]
7. [サブテーマ7]
8. [サブテーマ8]
各サブテーマに対して、1行で簡潔な説明を添えてください。
このプロンプトを、第1階層で生成された8つのテーマ全てに対して実行すれば、64個の精密なテーマが手に入る。
マンダラート×AI=無限のコンテンツ鉱脈
ここまで来ると、あなたは気づくだろう。
マンダラートは、もはや「アウトライン作成ツール」ではない。「AI時代のコンテンツ鉱脈を掘り当てる探査機」である。
一度この64個(あるいは512個)のテーママップを作ってしまえば:
- ブログ記事64本分のネタ
- YouTube動画64本分のネタ
- Podcast 64エピソード分のネタ
- SNS投稿数百本分のネタ
全てが、構造化され、関連性を持った状態で手に入る。
これは単なる「アイデア出し」ではない。コンテンツ戦略そのものだ。
2016年と2025年:何が変わったのか?
2016年、私は紙にマンダラートを書き、それを見ながら音声入力で記事を書いていた。
効率的だった。当時としては最善の方法だった。
しかし2025年、私のやり方はこうだ:
- AIに「1→8」を生成させる(30秒)
- AIに「8→64」を生成させる(4分)
- 64個のテーマから、今日書くものを選ぶ(10秒)
- AIに台本を作らせる(1分)
- 台本をベースにコンテンツを仕上げる(10分)
合計15分で、2016年に3時間かけていたことが完了する。
時短率88%。これはもう、産業革命を通り越して文明の転換点である。(大げさではない。多分。)
しかし、忘れてはいけない真実
AIは魔法の杖ではない。
「AIに何をさせるか」を設計できなければ、AIは無用の長物である。
2025年、誰でもChatGPTやClaudeを使える。しかし**「AIから何を引き出せるか」**で、天と地の差が生まれる。
マンダラート形式でテーマを拡張するという発想。段階的に深掘りすることで文脈を保つという設計。これらは**「プロンプト設計力」**の一部だ。
この設計力こそが、2025年のコンテンツクリエイターに必須の差別化スキルである。
明日から実践できるアクションステップ
難しいことは何もない。
- あなたが扱いたいテーマを1つ決める(例:「副業」「筋トレ」「子育て」)
- 第1階層プロンプトをAIに投げる
- 出てきた8つのテーマを眺める
- 気になるテーマ1つを選び、第2階層プロンプトを実行する
- 64個のテーママップを完成させる
これだけで、あなたは「今後3ヶ月分のコンテンツネタ」を手に入れる。
所要時間?5分だ。
最後に:2016年の自分へ
あの頃の私は、紙に線を引き、マス目を埋め、必死にアウトラインを考えていた。
それは無駄ではなかった。あれがあったから、今のやり方に辿り着けた。
しかし、もし2016年の自分に一言だけ伝えられるなら、こう言いたい。
「お前が30分かけて考えてるそのアウトライン、2025年のAIなら3秒で作るぞ。だから、その30分を『どんなアウトラインを作らせるか』を設計する時間に使え」
時代は変わった。
マンダラートも変わった。
しかし、「構造化して考える」という本質は変わらない。
2025年、マンダラートは紙からAIへ。手書きからプロンプトへ。
そして、あなたのコンテンツ制作は、今日から加速する。
追伸:このマンダラート×AIの手法、実はコンテンツ制作以外にも応用できる。商品企画、マーケティング戦略、学習計画、プロジェクト管理——何にでも使える。
試しに「あなたの仕事」をテーマに、64個のサブテーマを生成してみてほしい。
きっと、**「ああ、これやってなかった!」**というテーマが10個は見つかるはずだ。
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