ブログのサイト構成 – スポーク型が最強である理由とAI時代の構築術

「ブログを始めたいけど、どんなサイト構成にすればいいか分からない」

あなたもそう思ったことがあるんじゃないだろうか。

WordPress をインストールした。さあ、記事を書こう。でも、どこから手をつければいいのか分からない。

カテゴリーはどう分ければいい? トップページは何を載せる? メニューバーには何を並べる?

実は、この悩みの根本原因は「サイト構成」じゃない。

問題は、アクセスの流れが見えていないことだ。

自転車のスポーク – 最強のサイト構造

想像してほしい。

自転車のタイヤを真正面から見たときの、あのスポーク(細い棒)の配置を。

外側のリム(輪っか)から、中心のハブ(真ん中の部分)に向かって、無数の線が伸びている。

これが、個人ブログの理想的な構造だ。

具体的に言うと:

  • 外側の無数のスポーク = 集客記事(入り口)
  • 中心のハブ = 商品紹介ページ(出口)

すべての集客記事が、中心の商品紹介ページに向かって読者を誘導する。

この構造を理解するだけで、あなたのブログは劇的に変わる。

タコ型サイトという悪夢 – なぜ中小企業のHPは死んでいるのか

逆に、絶対にやってはいけない構造がある。

それが「タコ型」だ。

想像してほしい。タコの頭がトップページで、そこから何本もの足(コンテンツ)が伸びている。

これ、実は日本中の中小企業のホームページの典型的な構造だ。

具体例:

トップページ: 株式会社〇〇へようこそ!
├─ 今月の商品紹介
├─ バックナンバー
├─ 社長ブログ
├─ Facebook登録はこちら
└─ Twitter始めました

一見、普通に見える。でも、これは集客という観点では完全に死んでいる

なぜか?

タコ型サイトの3つの致命的欠陥

欠陥1: 入り口が1つしかない

トップページ以外から人が入ってくることを想定していない。しかし現実には、Google検索からの流入は個別記事だ。誰もトップページなんて見ない。

欠陥2: 「〜だろう」で設計されている

  • 「アクセスがあるだろう」
  • 「見てくれるだろう」
  • 「商品を買ってくれるだろう」

すべてが希望的観測。でも現実は:

  • 「アクセスは無いかも知れない」
  • 「見てくれないかも知れない」
  • 「商品は絶対に買ってくれないかも知れない」

この前提で設計しなければいけない。

欠陥3: 出口(コンテンツ)がバラバラ

商品紹介ページが、数あるコンテンツの端っこの1つに過ぎない。読者がそこにたどり着く導線が、まるで設計されていない。

結果: 業者に数十万円払って作ったのに、誰も見ない。商品も売れない。放置される。

日本中に、こういうホームページが無数にある。

スポーク型サイトの設計思想 – 集客と販売の完全分離

では、スポーク型サイトは何が違うのか?

核心は、「集客記事」と「販売記事」を完全に分離することだ。

集客記事(スポークの外側)の役割

  • 読者の悩みを解決する
  • 情報を提供する
  • 共感を生む
  • SEOで上位表示される

ここでは商品を売らない。

例えば:

  • 「在宅ワーク 集中できない 子供 対策」→ 具体的な集中術を解説
  • 「朝活 続かない 冬 寒い」→ 冬でも起きられる方法を紹介
  • 「英語 リスニング 単語 分かる 聞き取れない」→ 音の連結のルールを説明

これらの記事は、純粋に読者の悩みに答える。商品の押し売りはしない。

販売記事(スポークの中心)の役割

  • 商品を紹介する
  • ベネフィットを伝える
  • 購入への橋渡しをする

ここに、すべての集客記事から導線を引く。

例えば:

  • 集客記事の最後に「もっと効率的に学びたい方へ、私が使っているツールはこちら」とリンク
  • 記事の途中で自然に「私はこの問題を〇〇で解決しました」と商品に言及

すべての道は、ローマ(販売ページ)に通ず。

AI時代のスポーク型サイト構築術

さて、ここから2025年の話だ。

スポーク型サイトの構造自体は変わらない。でも、構築の速度が10倍になった

フェーズ1: 中心(ハブ)を先に決める

まず、「何を売るか」を決める。

  • 英語学習アプリ
  • 時間管理ツール
  • Notion テンプレート
  • オンライン講座

商品が決まったら、その商品を必要とする人の「悩み」をリストアップする。

ここでAIを使う:

プロンプト例:
「〇〇という商品を必要とする人が抱えている悩みを50個リストアップして。
特に『したいけどできない』という構造の悩みを中心に」

AIが、50個の悩みを出してくれる。

フェーズ2: スポーク(集客記事)のキーワードを決める

50個の悩みを、AIに渡す。

プロンプト例:
「以下の悩みを持つ人が検索しそうなキーワードを、各3個ずつ生成して:
[悩みリスト]

キーワードの条件:
- ロングテール(3〜5語)
- 競合が少なそうなもの
- 『したいけどできない』構造を含む

150個のキーワード候補が出る。

この中から、キーワードツール(Ubersuggest、ラッコキーワード、Ahrefs等)で検索ボリュームと競合性をチェック。

勝てそうなキーワードを50個選ぶ。

フェーズ3: 各スポーク(記事)の台本を一気に生成

50個のキーワードをAIに渡して、記事の台本を一括生成。

プロンプト例:
「以下のキーワードで、それぞれ記事の台本を作成して:
[50個のキーワードリスト]

各台本の構成:
1. 悩みへの共感(300文字)
2. 解決策の提示(500文字)
3. 具体的な方法(700文字)
4. さらに効率化したい人へ(商品への自然な導線、200文字)

台本ごとに、読者のペルソナと検索意図も明記して」

これで、50記事分の設計図が完成する。

所要時間? せいぜい1時間だ。

フェーズ4: 執筆とリンク構造の最適化

台本に沿って、記事を書く(or AIに書かせて、自分の体験を追加)。

重要なのは、すべての記事から中心の販売ページへのリンクを張ること

この時、WordPress のプラグインが役に立つ:

  • Yoast SEO: 内部リンクの提案
  • Link Whisper: 関連記事の自動検出とリンク提案
  • Rank Math: SEO最適化とリンク管理

これらのツールが、「この記事からこの記事へリンクを張るべき」と教えてくれる。

AIと人間の協業で、1記事1〜2時間で完成する。

フェーズ5: データを見て、スポークを太くする

3ヶ月後、Google Analytics と Search Console を確認。

アクセスが多い記事(=太くなったスポーク)を見つけたら、その記事を強化:

  • 文字数を増やす
  • 図解を追加
  • 体験談を厚くする
  • 関連記事への内部リンクを増やす

データに基づいて、勝っているスポークを育てる。

これが、AI時代のスポーク型サイト構築術だ。

管理のしやすさ – スポーク型の隠れたメリット

スポーク型サイトには、もう1つ大きなメリットがある。

商品が販売停止になっても、ダメージが最小限で済む。

タコ型サイトの場合:

  • すべてのページに商品リンクが散らばっている
  • 商品が販売停止になったら、全ページを修正する必要がある
  • 地獄の作業

スポーク型サイトの場合:

  • 商品リンクは中心の販売ページ(1〜数ページ)のみ
  • 商品が変わっても、その数ページだけ修正すればOK
  • 集客記事には影響ゼロ

メンテナンス工数が、1/50になる。

これは、長期運営において決定的に重要だ。

トップページという幻想 – 誰も見ていない真実

多くの初心者が、トップページのデザインに異常にこだわる。

ロゴはどうする? ヘッダー画像は? キャッチコピーは?

はっきり言おう。誰もトップページなんて見ていない。

私が運営しているサイトのアクセス解析を見ると:

  • トップページへのアクセス: 全体の2〜5%
  • 個別記事へのアクセス: 全体の95〜98%

つまり、ほとんどの読者は、Google検索から個別記事に直接やってくる。

だから、トップページを綺麗にする時間があったら、記事を1本書け。

トップページのデザインにこだわっていいのは:

  1. 広告を大量出稿している物販公式サイト(色々な場所に広告を出しているので、トップページへの直接流入が多い)
  2. 芸能人ブログ(本人の知名度で、名前検索からトップページに来る)

この2つだけだ。

あなたが無名の個人ブロガーなら、トップページは「とりあえず存在する」程度でいい。

サイト名も、適当でいい。

  • 「在宅ワーク LABO」
  • 「英語学習本店」
  • 「時短ライフハック集」

なんでもいい。なぜなら、そのキーワード(サイト名)で検索する人はほとんどいないから。

人気サイトになったときのために、短くて被らない名前をつけておけば十分。

重要なのは、サイト名じゃない。記事のタイトルだ。

集客と販売の区別がつかない – 初心者の最大の罠

初心者がよくやる失敗に、こういうのがある:

すべての記事で商品を売ろうとする。

結果、どの記事も:

  • 最初から売り込み臭い
  • 読者が警戒する
  • SEOでも評価されない(商業色が強すぎて)

これは、集客記事と販売記事の区別がついていない証拠だ。

正しいアプローチ:

集客記事(スポークの外側):

  • 純粋に悩みを解決する
  • 商品の言及は最小限(あるいはゼロ)
  • 読者に「この人、信頼できる」と思わせる

販売記事(スポークの中心):

  • 商品のベネフィットを全力で伝える
  • 「理解と共感」「BEAF法則」を駆使
  • 購入への橋渡しをする

この区別が明確だからこそ、読者は安心して集客記事を読める。

そして、「もっと知りたい」と思ったとき、自然に中心の販売ページに流れる。

無理に売らないことが、最も売れる方法だ。

AI時代のサイト設計ツール活用術

最後に、スポーク型サイト構築に役立つツールを紹介しよう。

サイト構造の可視化

  • Xmind / Miro: マインドマップ形式でスポーク構造を設計
  • Notion: データベース機能で記事とリンク構造を管理

キーワードリサーチ

  • ラッコキーワード: 関連キーワードの一括取得
  • Ubersuggest: 検索ボリュームと競合性のチェック
  • Ahrefs / SEMrush: 本格的なSEO分析(有料だが強力)

内部リンク最適化

  • Link Whisper: WordPress内で関連記事を自動提案
  • Internal Link Juicer: キーワードベースの自動内部リンク
  • Yoast SEO: リンク構造の分析と提案

アクセス解析

  • Google Analytics 4: 読者の行動を追跡
  • Google Search Console: どのキーワードで表示されているか確認
  • Microsoft Clarity: ヒートマップで読者の動きを可視化

これらのツールを組み合わせることで、スポーク型サイトの構築と最適化が劇的に効率化される。

あなたが明日からできること

理論は分かった。では、何から始めるか?

ステップ1: 売る商品を1つ決める(10分)

今すぐ決める。何でもいい。

ステップ2: その商品を必要とする悩みを10個書き出す(20分)

紙に手書きでもいい。Yahoo!知恵袋を見てもいい。

ステップ3: AIに残り40個の悩みを出させる(5分)

10個を見本にして、「この方向性で悩みを40個追加して」と依頼。

ステップ4: 50個の悩みから、キーワードを150個生成させる(10分)

AIに任せる。

ステップ5: その中から勝てそうなキーワードを10個選ぶ(30分)

ラッコキーワードやUbersuggestで競合をチェック。

ステップ6: 10個のキーワードで記事の台本を作る(30分)

AIに台本を作らせる。

ステップ7: 1記事書く(1〜2時間)

台本に沿って、あなたの経験を追加。

所要時間: 約3〜4時間で、スポーク型サイトの最初の設計図と1記事が完成。

これを50回繰り返す。

3ヶ月後、あなたは50本のスポークを持つサイトを手にしている。

スポークを増やせ、中心を磨け

最後に、もう一度スポーク型サイトの本質を確認しよう。

外側(集客記事)を増やせば増やすほど、中心(販売ページ)にアクセスが集まる。

1本のスポークが月10人を連れてくるなら、50本で500人だ。

その500人のうち、10人が商品を買えば、月10件の成約。

これが、スポーク型サイトの力だ。

タコ型サイトのように、「トップページに人を集める」という幻想に縋る必要はない。

無数の入り口を作れ。そして、すべての道を中心に向けろ。

それだけで、あなたのブログは稼ぐマシンになる。

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