今回(このカテゴリ)はサーチコンソールの講座。それでは、第1回。はじまりだ。
ブログやWebサイトを立ち上げたばかりのあなたに、悲しいお知らせがある。
あなたが渾身の力を込めて書いたその記事、世界中の誰も気づいていない。
「公開」ボタンを押した瞬間、世界中に情報が発信されたと錯覚するかもしれない。だが、それは無人島で叫んでいるのと同じだ。Googleという神があなたの存在を認め、検索結果という表舞台に並べてくれない限り、あなたの記事はデジタル空間の塵にすぎない。
そこで登場するのがGoogleサーチコンソール、通称「サチコ」だ。
今日は、この一見とっつきにくいツールが一体何者なのか、そしてなぜGoogleアナリティクス(GA4)だけでは不十分なのかを、膝を突き合わせて話そうと思う。
アナリティクスとサーチコンソールの決定的な違い
初心者が必ず陥る罠がある。「Googleアナリティクスを入れたから大丈夫」という思い込みだ。
これをわかりやすい例えで説明しよう。
あなたのWebサイトを「ラーメン屋」だとする。
- Googleアナリティクス(GA4)
- これは「店内の監視カメラ」だ。
- 「お客さんがどの席に座ったか」「ラーメンを何分で食べたか」「餃子も注文したか」「食い逃げ(即離脱)しなかったか」がわかる。
- つまり、店に入ってきてからの行動を分析するツールだ。
- Googleサーチコンソール(GSC)
- これは「店の前の通行人調査」であり「看板の評判」だ。
- 「店の前を何人が通ったか(表示回数)」「看板を見て入ろうとしたか(クリック率)」「そもそもGoogleマップに店が載っているか(インデックス)」がわかる。
- つまり、店に入る前の、検索エンジン上での出来事を管理するツールだ。
おわかりだろうか?
いくら店内の監視カメラ(GA4)が高性能でも、そもそも店の前を誰も通らなければ、あるいは看板が泥で汚れて見えなければ、客は来ない。カメラには誰も映らない。閑古鳥の映像が撮れるだけだ。
だから、サチコが必要なのだ。
サチコは「身だしなみの鏡」であり「通知表」
Googleサーチコンソールを初めて開くと、殺風景な画面が表示されるだろう。色気も素っ気もない。だが、このツールこそが、あなたのサイトの「裸の状態」を映し出す鏡だ。
サチコはあなたに忖度しない。
「あなたの記事、検索で3,000回表示されましたよ!でも、クリックされたのは2回だけですね(笑)」
という残酷な事実を、無表情なグラフで突きつけてくる。
これを「意地悪」と捉えてはいけない。これは愛だ。
- 表示回数が多いのにクリックされない → 「記事のタイトルがつまらない(看板がダサい)」と教えてくれている。
- そもそも表示回数がゼロ → 「Googleに認識されていない(地図に載ってない)」か「需要がない(砂漠で氷を売っている)」と教えてくれている。
サチコができる3つの「神の御業」
細かい機能は次回以降に譲るとして、サチコができることを大きく3つに分類しておこう。
- Googleへの直訴(インデックス登録リクエスト)
- 「記事書きました!見に来て!」とGoogleのクローラー(巡回ロボット)を手招きする機能。これをしないと、Googleが気づくのに数週間かかることもある。
- 健康診断(エラーチェック)
- 「お前のサイト、スマホで見ると文字が小さすぎて読めないぞ」とか「ページが見つからない(404)リンクがあるぞ」といった、サイトの不健康な部分を指摘してくれる。
- クエリ分析(読者の本音)
- ユーザーが「どんなキーワード」で検索してあなたのサイトにたどり着いたかがわかる。これが最も重要だ。「ダイエット」で記事を書いたつもりなのに、「デブ 服 サイズ」で検索されているかもしれない。それが読者のリアルな悩み(クエリ)なのだ。
今日の結論:まずは登録せよ、話はそれからだ
Googleサーチコンソールは、決して「上級者向け」のツールではない。むしろ、弱小ブログ時代にこそ必要な「羅針盤」だ。
大海原で遭難したくなければ、今すぐサチコを開設すべきだ。サーチコンソールはデータ蓄積型のツールなので導入が早ければ早いほどデータが積み上がっていく。
だから早く導入する必要がある。
最初はデータが真っ白でも構わない。その「無」を知ることが、最初の一歩なのだから。
次回は、多くの初心者が涙目で挫折する最初の関門、「所有権の確認(設定編)」について解説する。
DNS設定だのHTMLタグだの、アレルギーが出そうな単語が並ぶが、私が手取り足取りガイドしよう。安心してついてきてほしい。
(第1回 終了)
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