第5回サーチコンソール:「URL検査」。待つな、クローラーを呼びつけろ

ブログ記事を書き上げ、「公開」ボタンを押した後のあなたの顔は晴れやかだ。

「よし、これで世界中の人が読んでくれるはずだ」

甘い。砂糖漬けのシロップくらい甘い。

前にも言ったが、Googleは忙しい。

世界中で毎秒何万というページが生まれている中で、あなたのブログの更新になど、いちいち気づいていられない。「気が向いたら見に行くわ」というスタンスだ。

放っておけば、クローラー(巡回ロボット)が来るまで数日、ヘタをすれば数週間かかることもある。その間、あなたの記事は検索結果に存在しない「幽霊」だ。

そこで使うのが、サチコ最強の武器「URL検査」だ。

画面上部の「地味な検索窓」の正体

サチコの画面の一番上に、グレーの長い検索窓があるだろう。

「https://sample.net/ 内のすべての URL を検査」と書いてあるあれだ。

これはただの検索窓ではない。Googleへの直通ホットラインだ。

ここに、今書き上げたばかりの記事のURL(例:https://sample.net/new-article)をコピペして、Enterキーを叩き込むのだ。

儀式の手順:インデックス登録をリクエストする

Enterキーを押すと、しばらくの間「Google インデックスからデータを取得しています」という、心拍数を上げるローディング画面が表示される。

そして、無慈悲な宣告が下される。

「URL が Google に登録されていません」

画面はグレー一色。まるで「お前など知らん」と言わんばかりだ。

ここでめげてはいけない。公開したばかりなのだから当然だ。

ここで、右側にある文字に注目してほしい。

「インデックス登録をリクエスト」

これだ。これが魔法のボタンだ。

これをクリックすることで、あなたはGoogleのスケジュール帳に無理やり割り込み予約を入れることができる。

「おいGoogle、新しい記事を書いた。今すぐチェックしに来い」

そう命令を下すボタンなのだ。

1分間の長い沈黙

ボタンを押すと、「公開 URL がインデックスに登録可能かどうかをテストしています」という画面になり、1〜2分待たされる。

この時間は非常に長く感じる。「カップラーメンにお湯を入れてからの3分」より長い。

ここでエラーが出なければ、「インデックス登録をリクエスト済み」という表示が出る。

これで完了だ。

早ければ数分後、遅くとも翌日には、あなたの記事は検索結果に並ぶだろう。

注意:連打は厳禁。「ストーカー」扱いされるぞ

「早く登録してほしいから、5回くらいリクエストしておこう!」

やめろ。

Googleは公式に言っている。「何度もリクエストしても、処理は早くならない」と。

むしろ、「しつこい奴だ」とGoogle神の機嫌を損ねる可能性がある。

エレベーターのボタンを連打しても早く来ないのと同じだ。一度押したら、腕を組んで優雅に待つのが大人のマナーだ。

使いどころ:新規記事だけではない

この「URL検査」と「インデックス登録リクエスト」は、新しい記事を書いた時だけでなく、「過去記事をリライト(修正)」した時にも使う。

記事の内容を大幅に書き換えても、Googleが古いキャッシュを持ったままだと、検索結果に反映されない。

「内容を更新したから、新しい情報を読み込みに来て!」と伝えるためにも、このボタンを押すのだ。

今日の結論:記事を書いたら「サチコで検査」までがセット

ブロガーの仕事は、「公開」ボタンを押して終わりではない。

URLをコピーし、サチコの窓に貼り付け、「インデックス登録をリクエスト」し、完了画面を見て初めて「仕事終了」となる。

これをやるかやらないかで、初動のアクセスに天と地ほどの差が出る。

このルーティンを体に叩き込んでほしい。

次回は、毎回手動で呼びつけるのが面倒なあなたのために、サイトの地図をGoogleに渡しておく「サイトマップ送信」について解説する。

いわば、家の合鍵をGoogleに渡しておくようなものだ。

(第5回 終了)

part 5 of 11 【講座名】 サーチコンソール講座『全11回』

サーチコンソール講座『全11回』

第1回:Googleサーチコンソールとは?アナリティクスとの定義の違いを解説

第2回サーチコンソール:サイト登録の最初の壁「所有権の確認」

第3回サーチコンソール:画面の見方と「絶望」との付き合い方

第4回サーチコンソール:クエリという名の欲望。検索パフォーマンス徹底解剖

第5回サーチコンソール:「URL検査」。待つな、クローラーを呼びつけろ

第6回サーチコンソール:サイトマップ送信。Googleへの「招待状」を送りつけろ

第7回サーチコンソール:インデックス未登録の恐怖。「検出」と「クロール済み」のミステリー

第8回サーチコンソール:掲載順位のウソホント。その「平均10位」は幻覚かもしれない

第9回サーチコンソール:コアウェブバイタルという小姑。「遅い」と「ズレる」は重罪だ

第10回サーチコンソール(最終回):毎日のチェックルーティン

【番外編】サーチコンソール:新規サイトの追加手順

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