第6回サーチコンソール:サイトマップ送信。Googleへの「招待状」を送りつけろ

前回は、記事を一つ書くたびにGoogleを呼びつける「個別訪問」の作法を教えた。

だが、あなたのサイトが成長し、記事が100、200と増えた時、いちいち全てのURLを手動で届け出るのは、苦行以外の何物でもない。

そこで今回は、あなたのサイトの「全貌」をGoogleに一括で教える、「サイトマップ送信」について解説する。

いわば、Googleに「我が家の合鍵と見取り図」を渡す儀式だ。

「XMLサイトマップ」

突然だが、あなたは「XMLサイトマップ」という言葉を聞いたことがあるだろうか?

「HTML」なら聞いたことがあるが、「XML」となると途端に難易度が上がった気がして、脳が拒絶反応を起こすかもしれない。

だが、安心してほしい。中身を理解する必要はない。

これは、「人間用ではなく、ロボット用の地図」だからだ。

人間が読む地図には、道路やコンビニのアイコンが描いてある。

しかし、Googleのクローラー(ロボット)が読む地図(XML)には、無味乾燥なURLの羅列が書いてあるだけだ。

「このページは昨日更新しました」

「このページが一番重要です」

そんな情報が詰まった巻物を、サチコに奉納する。それが今回のミッションだ。

なぜサイトマップが必要なのか?

Googleのクローラーは、基本的に「リンクを辿って」旅をする。

トップページから記事Aへ、記事Aから記事Bへ……といった具合だ。

しかし、もしあなたのサイトが「どこからもリンクされていない孤立したページ(陸の孤島)」を持っていたらどうなるか?

あるいは、サイトの構造が複雑すぎて、迷路のようになっていたら?

クローラーは迷子になり、そのページにたどり着けない。

つまり、検索結果に出てこない。

そこで、「迷うな、ここを見ろ」と地図を渡すのだ。そうすれば、Googleはあなたのサイトの隅々まで、効率よく巡回してくれるようになる。

手順1:まずは地図を用意せよ(WordPressの場合)

「地図なんて作ってないよ!」と焦る必要はない。

今の時代、WordPressを使っているなら、勝手に作られているケースがほとんどだ。

  • プラグインを使っている場合:

    「XML Sitemaps」や「All in One SEO」「Yoast SEO」などの有名プラグインを入れているなら、自動的に生成されている。

  • 何もしていない場合:

    実は最近のWordPress(5.5以降)は、標準機能で勝手にサイトマップを作ってくれている。

あなたのサイトのURLのお尻に、sitemap.xml をつけてアクセスしてみてほしい。

例:https://sample.net/sitemap.xml

何か、英語やコードがズラズラと並んだページ、あるいは「XML Sitemap」と書かれたページが表示されれば、地図はそこにある。

(※プラグインによっては sitemap_index.xml という名前の場合もある。設定画面を確認)

手順2:サチコに地図のありかを教える

地図があることを確認したら、サチコの出番だ。

  1. 左メニューの「サイトマップ」をクリックする。

  2. 「新しいサイトマップの追加」という欄がある。

  3. そこに、さっき確認したファイル名(例:sitemap.xml)を入力する。

  4. 「送信」ボタンを、親指に魂を込めて押す。

運命の瞬間:「成功しました」か、「取得できませんでした」か

送信ボタンを押すと、一瞬の静寂の後、ステータスが表示される。

  • 緑色の文字で「成功しました」:

    おめでとう。Googleは地図を受け取った。これでクローラーは迷わずあなたのサイトを巡回できる。勝利のコーヒーを飲んでいい。

  • 赤色の文字で「取得できませんでした」:

    初心者が最もパニックになる瞬間だ。「拒否された!」「うおお、私のサイトは欠陥住宅なのか!?」と。

落ち着け。

これはサチコあるあるだ。Google側のただの気まぐれや、読み込みのタイミングの問題であることが多い。

本当にURLが間違っていなければ、何もせずに明日もう一度見てみると、勝手に「成功」に変わっていたりする。

サチコはツンデレだ。一度の拒絶で諦めてはいけない。

注意:送信したからといって、すぐ登録されるわけではない

勘違いしてはいけないのが、「サイトマップ送信 = 全ページインデックス確約」ではないということだ。

あくまで「地図は渡したよ」というだけだ。

「地図はもらったけど、この部屋(記事)は散らかってるから登録しないでおくわ」とGoogleが判断することもある。

あくまで、「巡回の手助け」にすぎないことを覚えておこう。

今日の結論:一度送れば、あとは全自動

この「サイトマップ送信」の素晴らしいところは、「一度やれば、あとは放置でいい」という点だ。

あなたが新しい記事を書けば、WordPress(またはプラグイン)が自動的に地図を書き換えてくれる。Googleはその地図を定期的に見に来て、「お、新しい場所が増えているな」と気づいてくれる。

つまり、これは「不労所得」のような設定だ。

最初に5分の手間をかけるだけで、一生Googleへの案内を自動化できる。やらない手はない。

次回は、少し不穏な話をしよう。

サチコのメニューにある**「ページ(インデックス未登録)」という項目。

そこには、Googleから「お前の記事、見つけたけど無視したわ」**と宣告された、悲しき記事たちの墓場が広がっているかもしれない。

そのミステリーを解き明かす、第7回「インデックス未登録の恐怖」へ続く。

(第6回 終了)

part 6 of 11 【講座名】 サーチコンソール講座『全11回』

サーチコンソール講座『全11回』

第1回:Googleサーチコンソールとは?アナリティクスとの定義の違いを解説

第2回サーチコンソール:サイト登録の最初の壁「所有権の確認」

第3回サーチコンソール:画面の見方と「絶望」との付き合い方

第4回サーチコンソール:クエリという名の欲望。検索パフォーマンス徹底解剖

第5回サーチコンソール:「URL検査」。待つな、クローラーを呼びつけろ

第6回サーチコンソール:サイトマップ送信。Googleへの「招待状」を送りつけろ

第7回サーチコンソール:インデックス未登録の恐怖。「検出」と「クロール済み」のミステリー

第8回サーチコンソール:掲載順位のウソホント。その「平均10位」は幻覚かもしれない

第9回サーチコンソール:コアウェブバイタルという小姑。「遅い」と「ズレる」は重罪だ

第10回サーチコンソール(最終回):毎日のチェックルーティン

【番外編】サーチコンソール:新規サイトの追加手順

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