前回は、記事を一つ書くたびにGoogleを呼びつける「個別訪問」の作法を教えた。
だが、あなたのサイトが成長し、記事が100、200と増えた時、いちいち全てのURLを手動で届け出るのは、苦行以外の何物でもない。
そこで今回は、あなたのサイトの「全貌」をGoogleに一括で教える、「サイトマップ送信」について解説する。
いわば、Googleに「我が家の合鍵と見取り図」を渡す儀式だ。
「XMLサイトマップ」
突然だが、あなたは「XMLサイトマップ」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
「HTML」なら聞いたことがあるが、「XML」となると途端に難易度が上がった気がして、脳が拒絶反応を起こすかもしれない。
だが、安心してほしい。中身を理解する必要はない。
これは、「人間用ではなく、ロボット用の地図」だからだ。
人間が読む地図には、道路やコンビニのアイコンが描いてある。
しかし、Googleのクローラー(ロボット)が読む地図(XML)には、無味乾燥なURLの羅列が書いてあるだけだ。
「このページは昨日更新しました」
「このページが一番重要です」
そんな情報が詰まった巻物を、サチコに奉納する。それが今回のミッションだ。
なぜサイトマップが必要なのか?
Googleのクローラーは、基本的に「リンクを辿って」旅をする。
トップページから記事Aへ、記事Aから記事Bへ……といった具合だ。
しかし、もしあなたのサイトが「どこからもリンクされていない孤立したページ(陸の孤島)」を持っていたらどうなるか?
あるいは、サイトの構造が複雑すぎて、迷路のようになっていたら?
クローラーは迷子になり、そのページにたどり着けない。
つまり、検索結果に出てこない。
そこで、「迷うな、ここを見ろ」と地図を渡すのだ。そうすれば、Googleはあなたのサイトの隅々まで、効率よく巡回してくれるようになる。
手順1:まずは地図を用意せよ(WordPressの場合)
「地図なんて作ってないよ!」と焦る必要はない。
今の時代、WordPressを使っているなら、勝手に作られているケースがほとんどだ。
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プラグインを使っている場合:
「XML Sitemaps」や「All in One SEO」「Yoast SEO」などの有名プラグインを入れているなら、自動的に生成されている。
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何もしていない場合:
実は最近のWordPress(5.5以降)は、標準機能で勝手にサイトマップを作ってくれている。
あなたのサイトのURLのお尻に、sitemap.xml をつけてアクセスしてみてほしい。
例:https://sample.net/sitemap.xml
何か、英語やコードがズラズラと並んだページ、あるいは「XML Sitemap」と書かれたページが表示されれば、地図はそこにある。
(※プラグインによっては sitemap_index.xml という名前の場合もある。設定画面を確認)
手順2:サチコに地図のありかを教える
地図があることを確認したら、サチコの出番だ。
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左メニューの「サイトマップ」をクリックする。
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「新しいサイトマップの追加」という欄がある。
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そこに、さっき確認したファイル名(例:
sitemap.xml)を入力する。 -
「送信」ボタンを、親指に魂を込めて押す。
運命の瞬間:「成功しました」か、「取得できませんでした」か
送信ボタンを押すと、一瞬の静寂の後、ステータスが表示される。
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緑色の文字で「成功しました」:
おめでとう。Googleは地図を受け取った。これでクローラーは迷わずあなたのサイトを巡回できる。勝利のコーヒーを飲んでいい。
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赤色の文字で「取得できませんでした」:
初心者が最もパニックになる瞬間だ。「拒否された!」「うおお、私のサイトは欠陥住宅なのか!?」と。
落ち着け。
これはサチコあるあるだ。Google側のただの気まぐれや、読み込みのタイミングの問題であることが多い。
本当にURLが間違っていなければ、何もせずに明日もう一度見てみると、勝手に「成功」に変わっていたりする。
サチコはツンデレだ。一度の拒絶で諦めてはいけない。
注意:送信したからといって、すぐ登録されるわけではない
勘違いしてはいけないのが、「サイトマップ送信 = 全ページインデックス確約」ではないということだ。
あくまで「地図は渡したよ」というだけだ。
「地図はもらったけど、この部屋(記事)は散らかってるから登録しないでおくわ」とGoogleが判断することもある。
あくまで、「巡回の手助け」にすぎないことを覚えておこう。
今日の結論:一度送れば、あとは全自動
この「サイトマップ送信」の素晴らしいところは、「一度やれば、あとは放置でいい」という点だ。
あなたが新しい記事を書けば、WordPress(またはプラグイン)が自動的に地図を書き換えてくれる。Googleはその地図を定期的に見に来て、「お、新しい場所が増えているな」と気づいてくれる。
つまり、これは「不労所得」のような設定だ。
最初に5分の手間をかけるだけで、一生Googleへの案内を自動化できる。やらない手はない。
次回は、少し不穏な話をしよう。
サチコのメニューにある**「ページ(インデックス未登録)」という項目。
そこには、Googleから「お前の記事、見つけたけど無視したわ」**と宣告された、悲しき記事たちの墓場が広がっているかもしれない。
そのミステリーを解き明かす、第7回「インデックス未登録の恐怖」へ続く。
(第6回 終了)
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