第4回サーチコンソール:クエリという名の欲望。検索パフォーマンス徹底解剖

左メニューの「検索パフォーマンス」をクリックした諸君。

画面上部に並ぶ、4つのカラフルなパネルが見えているだろうか。

  1. 合計クリック数(青)

  2. 合計表示回数(紫)

  3. 平均CTR(緑)

  4. 平均掲載順位(橙)

デフォルトでは「クリック数」と「表示回数」しか色がついていない(選択されていない)ことが多い。

まずは、この4つのパネルを全てクリックして色をつけてくれ。これが「フル装備」の状態だ。

この4つの数字は、あなたのサイトの戦闘力そのものである。一つずつ解説しよう。

1. 合計表示回数:あなたの「存在感」

これは、Google検索の結果画面に、あなたの記事のリンクが「チラッとでも表示された回数」だ。

  • たとえスクロールもされず、誰の目にも留まらなかったとしても、画面のどこかに表示されれば「1カウント」だ。

  • 例えるなら、「あなたの家の前を通り過ぎた人の数」である。

  • この数字が少ないうちは、そもそも店(サイト)が森の奥地にありすぎて、誰も気づいていない状態だ。まずはここを増やすのが第一歩となる。

2. 合計クリック数:あなたの「実利」

説明不要。検索結果を見て、実際にリンクをポチッと押してくれた人の数だ。

つまり、「店のドアを開けて入ってきた客の数」だ。

ブロガーにとって、これこそが飯の種であり、承認欲求を満たす蜜の味だ。

3. 平均CTR(クリック率):あなたの「モテ度」

ここが一番残酷な数字だ。

クリック数 ÷ 表示回数 で算出される。

「100回表示されて、何回クリックされたか」という確率だ。

  • CTRが高い(5%〜20%超): あなたの記事タイトルは魅力的だ。通行人は思わず足を止め、店に吸い込まれている。

  • CTRが低い(1%以下): 残念ながら、あなたの記事タイトルは「空気」だ。あるいは「見るからに怪しい」と思われている。

サチコは無表情でこう告げる。

「あなたの記事、1,000人の前を通りましたが、999人にスルーされましたね(爆)プププ」

この数字が低い場合、記事の中身をリライトしている場合ではない。「記事タイトル」「スニペット(説明文)」という看板を書き直すべきだ。中身が最高級フレンチでも、看板が「メシ、あるよ」では誰も入らないのだから。

4. 平均掲載順位:あなたの「社会的地位」

検索結果の何番目に表示されたかの平均値だ。

もちろん「1位」が最高だが、これはあくまで「平均」であることに注意してほしい。

  • ビッグワード(例:「ダイエット」)で100位

  • ニッチなワード(例:「右足の小指 かゆい 深夜」)で1位

この場合、平均は「50.5位」となる。

平均順位だけを見て「やった!順位が上がった!」とぬか喜びしてはいけない。誰も検索しないようなマニアックな言葉で1位を取っても、誰も来ないからだ。

【最重要】「クエリ」という名の欲望を覗き見る

さて、画面を下にスクロールしてほしい。

そこに並んでいる「クエリ」というリスト。これこそがサチコの真骨頂だ。

クエリ(Query)とは、ユーザーが検索窓に打ち込んだ「言葉そのもの」だ。

ここを見ると、自分の想定とは全く違う現実が見えてくる。ここがサーチコンソールにしかできない「あなたのサイトがどんなきいーワードで流入があるか?」を示してくれる。

そして、日に日にデータは溜まっていく。これができるから「早く導入する必要」があるのだ。

  • 【理想】 あなたは「スタイリッシュなマタニティウェア」の記事を書いたつもり。

  • 【現実】 サチコを見ると、「妊婦 服 ダサい」「デブ 入る服」というクエリで流入している。

これがユーザーの「本音(欲望)」だ。

彼らはスタイリッシュさなど求めていない。「ダサくなくて、太っていても入る服」を血眼で探しているのだ。

この「クエリ」と「自分の記事内容」のズレ(ギャップ)に気づくこと。

そして、「あ、ユーザーは本当はこういうことを知りたかったのか!」と答え合わせをすること。

これが、サチコを使ったカンニング…いや、マーケティングだ。

笑えない現実:表示回数が多いのにクリック数0のクエリ

リストの中に、こういうクエリがないだろうか?

  • 表示回数:500

  • クリック数:0

これは「非常にもったいないお化け」が出ている状態だ。

Googleは「お、この記事はこのキーワードに関連しているな」と判断して、検索結果(おそらく2ページ目や3ページ目)に出してくれている。ニーズもある。

しかし、クリックされていない。

これは「あと一押し」で化ける原石だ。

この記事をリライトして、そのクエリをタイトルや見出しに盛り込めば、順位が上がり、クリックの雨が降る可能性がある。

サチコはこう言っている。

「ここにお宝が落ちてますよ。拾うか拾わないかは、あなた次第ですが」

今日の宿題:自分の「モテ度」を確認せよ

さあ、自分のサイトの「平均CTR」を見てみてほしい。

一般的に、検索1位なら20〜30%、10位なら1%程度と言われている。

もし、順位が悪くないのにCTRが異常に低い記事があったら、それは「タイトルがスベっている」証拠だ。

来週までにタイトルを100回音読して書き直したまえ。

次回は、書いた記事をGoogleに「速達」で届ける魔法の杖、「URL検査」の使い方を伝授する。

待っていても来ないGoogleは、こちらから呼びつけるのだ。

(第4回 終了)

part 4 of 11 【講座名】 サーチコンソール講座『全11回』

サーチコンソール講座『全11回』

第1回:Googleサーチコンソールとは?アナリティクスとの定義の違いを解説

第2回サーチコンソール:サイト登録の最初の壁「所有権の確認」

第3回サーチコンソール:画面の見方と「絶望」との付き合い方

第4回サーチコンソール:クエリという名の欲望。検索パフォーマンス徹底解剖

第5回サーチコンソール:「URL検査」。待つな、クローラーを呼びつけろ

第6回サーチコンソール:サイトマップ送信。Googleへの「招待状」を送りつけろ

第7回サーチコンソール:インデックス未登録の恐怖。「検出」と「クロール済み」のミステリー

第8回サーチコンソール:掲載順位のウソホント。その「平均10位」は幻覚かもしれない

第9回サーチコンソール:コアウェブバイタルという小姑。「遅い」と「ズレる」は重罪だ

第10回サーチコンソール(最終回):毎日のチェックルーティン

【番外編】サーチコンソール:新規サイトの追加手順

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP