今度は、多くのユーザーが騙される数字のトリック、掲載順位の話だ。
サチコの検索パフォーマンス画面で、オレンジ色の平均掲載順位 を見ているあなた。
その数字が「10.5位」だとしよう。
あなたはこう思う。
「おお! 私のサイト、だいたい検索1ページ目の下の方に出てるんだ! もう少しでトップだ!」
残念ながら、それは幻覚だ。
「平均」という言葉のマジックに騙されてはいけない。
この数字は、あなたのサイトの実力を示すどころか、目を曇らせるノイズになり得る。
トリック1:平均値を歪める「誰も検索しない1位」
極端な例を出そう。
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ビッグワード「ダイエット」: 100位
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超ニッチワード「宇宙人 襲来 保険 おすすめ」: 1位
この2つのキーワードの平均順位は?
そう、「50.5位」だ。
もしあなたが、誰も検索しないようなマニアックなキーワード(または自分のサイト名など)で大量に1位を取っていたとしても、肝心の狙っているキーワードが圏外なら、平均順位は見栄えの良い数字になる。
「平均順位が上がったのに、アクセスが増えない!」という怪奇現象の正体はこれだ。
「誰もいない砂漠での徒競走」で1等賞を取りまくっても、平均順位は上がるのだ。
トリック2:1位なのにクリックされないミステリー
サチコを見ていると、たまにこういうデータに出くわす。
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クエリ:「〇〇 ××」
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掲載順位:1位
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クリック数:0
「1位なのに誰も押さないなんてこと、あるか?」
ある。これには悲しい理由がいくつかある。
1. ゼロクリックサーチ(答えが完結している):
検索結果の画面に答え(天気予報、株価、計算結果など)が表示されていて、わざわざリンクを踏む必要がなかったパターン。
最近は検索結果の上位にAIによる回答が出力されるため、普通の悩み系ワードなどでもクリックされないことがよくある。まあ、これは時代の流れなので仕方ない。
2. 画像検索や地図検索の罠:
通常の記事検索ではなく、「画像検索」の結果として1位に画像が出ていただけ、というパターン。サチコはデフォルトではこれらを区別せずに混ぜて表示する(フィルタで分けられるが)。
3. 自分のIPアドレス(笑):
あなたが自分で検索して、満足してクリックせずにブラウザを閉じた記録かもしれない。
正しい見方:「クエリごと」に順位を見ろ
では、どうすればいいのか?
画面上部の全体平均など、薄目で見る程度でいい。
大事なのは、下のリストにある「個別のクエリ」ごとの順位だ。
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「自分が狙って書いたキーワード」が何位なのか?
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その順位は、先月と比べて上がったのか、下がったのか?
それだけを見ればいい。
全体の平均点が50点でも、数学(狙ったキーワード)が100点なら、そのサイトは優秀なのだ。
順位変動に一喜一憂しない「メンタルケア」
最後に、サチコ病の患者に処方箋を出しておこう。
「毎日順位を確認して、1位下がっただけで発狂しないこと」
検索順位というのは、生き物だ。
Googleがアルゴリズムを調整したり(Googleダンスと呼ばれる)、競合サイトが記事を更新したり、あるいは単に気まぐれで、順位は毎日コロコロ変わる。
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今日:3位
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明日:5位
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明後日:2位
こんなのは誤差の範囲だ。波の満ち引きのようなものだ。
これで「記事が悪かったのか!?」と慌ててリライトするのは、傷口を広げる行為になりかねない。
見るのは「週単位」か「月単位」のトレンドだ。
じわじわと下がり続けているなら対策が必要だが、日々の乱高下は「Google様がダンスを踊っているな」と生暖かく見守るのが、長く続けるコツだ。
今日の教訓:平均は嘘をつく。個を見よ
「平均年収」があてにならないのと同じだ。一部の大富豪(1位のニッチワード)が平均を釣り上げているだけかもしれない。
あなたのサイトの真の実力は、個別のクエリの中に隠れている。
次回は、サチコのメニューの下の方にある「エクスペリエンス」。
最近のGoogleがうるさく言ってくる小姑のような指標、「コアウェブバイタル(表示速度)」について解説する。
「遅いサイトは人権がない」とされる現代ウェブの掟を学ぼう。
(第8回 終了)
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