第8回サーチコンソール:掲載順位のウソホント。その「平均10位」は幻覚かもしれない

今度は、多くのユーザーが騙される数字のトリック、掲載順位の話だ。

サチコの検索パフォーマンス画面で、オレンジ色の平均掲載順位 を見ているあなた。

その数字が「10.5位」だとしよう。

あなたはこう思う。

「おお! 私のサイト、だいたい検索1ページ目の下の方に出てるんだ! もう少しでトップだ!」

残念ながら、それは幻覚だ。

「平均」という言葉のマジックに騙されてはいけない。

この数字は、あなたのサイトの実力を示すどころか、目を曇らせるノイズになり得る。

トリック1:平均値を歪める「誰も検索しない1位」

極端な例を出そう。

  1. ビッグワード「ダイエット」: 100位

  2. 超ニッチワード「宇宙人 襲来 保険 おすすめ」: 1位

この2つのキーワードの平均順位は?

そう、「50.5位」だ。

もしあなたが、誰も検索しないようなマニアックなキーワード(または自分のサイト名など)で大量に1位を取っていたとしても、肝心の狙っているキーワードが圏外なら、平均順位は見栄えの良い数字になる。

「平均順位が上がったのに、アクセスが増えない!」という怪奇現象の正体はこれだ。

「誰もいない砂漠での徒競走」で1等賞を取りまくっても、平均順位は上がるのだ。

トリック2:1位なのにクリックされないミステリー

サチコを見ていると、たまにこういうデータに出くわす。

  • クエリ:「〇〇 ××」

  • 掲載順位:1位

  • クリック数:0

「1位なのに誰も押さないなんてこと、あるか?」

ある。これには悲しい理由がいくつかある。

1. ゼロクリックサーチ(答えが完結している):

検索結果の画面に答え(天気予報、株価、計算結果など)が表示されていて、わざわざリンクを踏む必要がなかったパターン。

最近は検索結果の上位にAIによる回答が出力されるため、普通の悩み系ワードなどでもクリックされないことがよくある。まあ、これは時代の流れなので仕方ない。

2. 画像検索や地図検索の罠:

通常の記事検索ではなく、「画像検索」の結果として1位に画像が出ていただけ、というパターン。サチコはデフォルトではこれらを区別せずに混ぜて表示する(フィルタで分けられるが)。

3. 自分のIPアドレス(笑):

あなたが自分で検索して、満足してクリックせずにブラウザを閉じた記録かもしれない。

正しい見方:「クエリごと」に順位を見ろ

では、どうすればいいのか?

画面上部の全体平均など、薄目で見る程度でいい。

大事なのは、下のリストにある「個別のクエリ」ごとの順位だ。

  • 「自分が狙って書いたキーワード」が何位なのか?

  • その順位は、先月と比べて上がったのか、下がったのか?

それだけを見ればいい。

全体の平均点が50点でも、数学(狙ったキーワード)が100点なら、そのサイトは優秀なのだ。

順位変動に一喜一憂しない「メンタルケア」

最後に、サチコ病の患者に処方箋を出しておこう。

「毎日順位を確認して、1位下がっただけで発狂しないこと」

検索順位というのは、生き物だ。

Googleがアルゴリズムを調整したり(Googleダンスと呼ばれる)、競合サイトが記事を更新したり、あるいは単に気まぐれで、順位は毎日コロコロ変わる。

  • 今日:3位

  • 明日:5位

  • 明後日:2位

こんなのは誤差の範囲だ。波の満ち引きのようなものだ。

これで「記事が悪かったのか!?」と慌ててリライトするのは、傷口を広げる行為になりかねない。

見るのは「週単位」か「月単位」のトレンドだ。

じわじわと下がり続けているなら対策が必要だが、日々の乱高下は「Google様がダンスを踊っているな」と生暖かく見守るのが、長く続けるコツだ。

今日の教訓:平均は嘘をつく。個を見よ

「平均年収」があてにならないのと同じだ。一部の大富豪(1位のニッチワード)が平均を釣り上げているだけかもしれない。

あなたのサイトの真の実力は、個別のクエリの中に隠れている。

次回は、サチコのメニューの下の方にある「エクスペリエンス」。

最近のGoogleがうるさく言ってくる小姑のような指標、「コアウェブバイタル(表示速度)」について解説する。

「遅いサイトは人権がない」とされる現代ウェブの掟を学ぼう。

(第8回 終了)

part 8 of 11 【講座名】 サーチコンソール講座『全11回』

サーチコンソール講座『全11回』

第1回:Googleサーチコンソールとは?アナリティクスとの定義の違いを解説

第2回サーチコンソール:サイト登録の最初の壁「所有権の確認」

第3回サーチコンソール:画面の見方と「絶望」との付き合い方

第4回サーチコンソール:クエリという名の欲望。検索パフォーマンス徹底解剖

第5回サーチコンソール:「URL検査」。待つな、クローラーを呼びつけろ

第6回サーチコンソール:サイトマップ送信。Googleへの「招待状」を送りつけろ

第7回サーチコンソール:インデックス未登録の恐怖。「検出」と「クロール済み」のミステリー

第8回サーチコンソール:掲載順位のウソホント。その「平均10位」は幻覚かもしれない

第9回サーチコンソール:コアウェブバイタルという小姑。「遅い」と「ズレる」は重罪だ

第10回サーチコンソール(最終回):毎日のチェックルーティン

【番外編】サーチコンソール:新規サイトの追加手順

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